サッカーサンパウロ市杯=柏がサンパウロに引き分け=先制許すも意地の同点弾!=「普段通り出来れば勝てた試合」

ニッケイ新聞 2014年1月7日

試合前の記念撮影で引き締まった表情を見せる選手ら。左の背番号9番が同点弾を決めた大島選手

試合前の記念撮影で引き締まった表情を見せる選手ら。左の背番号9番が同点弾を決めた大島選手

【既報関連】一流選手への登竜門として知られる19歳以下の選手が出場するサッカー大会『コパ・サンパウロ』が3日に開幕した。招待チームとして参加する日本の柏レイソルは、サンパウロ州バルエリ市のアレーナ・バルエリで優勝候補と目される強豪・サンパウロFCと対戦し、前半にFKから1点を先行されるも、後半に追いつく奮闘を見せ、1対1で引き分けた。試合後に本紙インタビューに応えた柏の下平隆宏監督は、この結果に満足することはなく「精神的には非常に良くやってくれたと思うが、技術的なミスは多かった。もうちょっと普段通り出来れば勝つこともできた」と残念がった。

26グループ、全104チームが参加する今大会、各グループから自動通過出来るのは1位チームに限られる。2位となっても勝ち点、得失点差、総得点等の結果で上位6チームに入らなければ決勝トーナメントに進むことは出来ない。上位進出を目指す両チームにとって、互いに勝利を至上命題とする一戦となった。

前半、低い位置から細かくパスを繋いでリズムを作ろうとする柏だったが、スタンドを埋める大勢のサンパウロサポーターが作るアウェーの雰囲気に気圧されたのか、中盤でのパスミスが目立ち、なかなか決定機を作れない。徐々に流れはサンパウロに傾いていき、前半40分に強引なドリブルによる中央突破から獲得したFKを10番のボスキリア選手が直接叩き込み、均衡が破られた。後半もカウンターから好機を作るなど、サンパウロペースが続いたが、13分に相手のミスに乗じて奪ったボールから右サイドを突破、最後は柏9番大島康樹選手が押し込んで同点に追いついた。

その後は互いに勝ち越しを目指して積極的に攻め合い、両チームとも決定機をつくったものの試合は動かず、1対1で試合終了を迎えた。

主将としてチームを統率し、強力なサンパウロの攻撃を1点に抑えたDF陣の柱、20番中谷進之介選手は、「球際や、一対一であたりにいくところで負けが目立ったのはよくない」と反省を口にしながらも「ボールを長い時間保持して相手を押し込んでいく自分たちのスタイルは、ブラジル人相手にもしっかり通用した」との手応えを語り、グループの残り2戦の必勝を誓った。

殊勲の同点ゴールを決めた大島だったが「自分個人の出来としては30点」と悔しさを滲ませ、「海外からの招待チームで決勝トーナメントに進んだチームはないと聞いている。残りの試合を大量得点で全勝する。自分たちが予選を突破して歴史を変えたい」と意欲を語った。

グループ第2、3戦はそれぞれ6日(バルエリ)、9日(アウト・エスポルテ)の午後5時にアレーナ・バルエリで行われる。