「ナタルの本当の姿知って」=現地日本人会 W杯に向け準備着々=同胞の受け入れ態勢に力

ニッケイ新聞 2014年1月18日

W杯に向けた第一回会議の様子

W杯に向けた第一回会議の様子

開幕まで半年を切ったブラジルW杯。日本代表のグループリーグ第2戦、ギリシャ戦の試合会場となるリオ・グランデ・ド・ノルテ州ナタル市では、来場が見込まれる多くの日本人サポーターを歓迎しようと、現地の日本人会が積極的な準備活動を行っている。同市観光局への働きかけにより、ギリシャ戦の前後期間におけるナタル国際空港内への日本語情報窓口の設置もすでに決定するなど、同地を訪れる日本人にとっては頼もしい味方となりそうだ。

現在W杯に向けた準備活動を行っている「ナタル日本人会 ワールドカップ版」(以下日本人会)の母体にあたる「Associacao Cultural Nipo Brasileira do Rio Grande do Norte」は、1996年に設立されていたものの、近年は実質的な活動停止状態にあった。 昨年12月初旬、W杯本選の組み合わせ抽選会の結果により、日本代表チームのナタルでの試合が決まったことを契機に、JICAの農業開発コンサルタントとして同地に滞在する渡部直人さん、現地在住の日系二、三世らが活動再会を呼びかけ、日本人会が結成された。現在は永住権を持つ邦人らを加え、約20人のメンバーで活動を行う。

同地在住の中村恵美子さん(42、福岡)は、渡部さんとともに、短文投稿型情報共有サービス「Twitter」などを用い、日本語での会の広報及び来伯を予定する日本人との窓口役を担う。「ナタルは日系人も少なく、日本語で発信される情報が極端に乏しい。私たちが動かなければ日本人サポーターは困ってしまうのでは、と思うと同時に、これを機にあまり知られていないこの土地の本当の姿を日本の方々に知ってもらいたいとの思いがあった」と参加の動機を語った。

市観光局に通ずる日系人メンバーの協力等により、今月15日に同局関係者と会議を実施。冒頭の空港への情報窓口設置に加え、観光局事務所内に日ポ両語を解する現地学生を研修生として配置し、日本語での問い合わせに対応できるようにすることも決まった。同局関係者との会議は月に1回程度のペースで定期的に実施していく。

また、ナタル市内でスクールバス会社を運営する日系人メンバーの協力を得、日本代表のGリーグ第一戦の会場となるペルナンブコ州レシフェ市内主要ホテルから同地への、日本人向け格安バスの運行も視野に入れ、両州交通局など関係機関への交渉を計画しているという。個人旅行者向け宿の紹介・斡旋も行う。

日本人会の発信する情報は「Twitter」内で「@Natal_Japan」を検索すれば見つかる。