「生徒も気軽に取り組める」=絵手紙を日語教育に活用

ニッケイ新聞 2014年1月28日

真剣な表情を見せる参加者ら

真剣な表情を見せる参加者ら

今月21日から3日間の日程で行われた『第56回全伯日本語教師研修会』のプログラムの一環として23日、サンパウロ市の日本語センターで「サンパウロ絵手紙友の会」を主宰する石井恵子さんらによる絵手紙講習会が開かれた。

全伯各地の日本語学校や日語教室から約50人の教師が参加、石井さんを始めとする友の会メンバー約10人が指導に当たった。石井さんは三つの心得として「下手でいい、下手がいい」「ぶっつけ本番」「お手本なし」を挙げ、自分らしい作品づくりに取り組む意義を説いた。

「絵手紙は線が命」という指導のもと、筆の上部を指で摘み、ゆっくりと動かす練習からスタート。友の会メンバーから「時計の針の速さで、もっとゆっくり」との声が飛ぶ中、参加者はモデルとして用意された果物と向き合い、真剣な表情で筆を運んでいた。

色付けと文字入れを済ませ、牛乳パックを使った手紙入れの作成が完了すると、参加者から「教本はあるか」「和紙で代用はきくか」など多くの質問が飛んだ。

講習後、パラナ州クリチバで語学学校を経営する大山多恵子さん(72、愛知)は、友の会から購入した筆を手に「素晴らしい日本文化。課外授業で取り入れたい」と笑顔を見せ、スザノ日伯学園の安楽久美さん(52、二世)も「絵が苦手な生徒も臆せず取り組める。情操教育にも非常に良い」と話した。

石井さんは「私自身、絵手紙を始めて日常生活の何気ないことに目がとまるようになった。継続して続けることで感性が豊かになる。ぜひ各学校の教育活動に活かして」と期待を込めた。