驚き!ブラジル出産事情

ニッケイ新聞 2014年2月27日

こんにちは!

驚き!ブラジル出産事情私事ではありますが、2月11日火曜日、サンパウロ市内にある産院で第一子長男を出産しました。日本から手伝いに来ていた母と久しぶりに過ごす日々に舞い上がっていた私は、その日母と昼食にブラジル料理を満喫し、ショッピングモールを歩き回り、夕方帰宅。夕食の準備をしようと話していたところ、陣痛かどうか迷うような痛みが到来。

かかりつけの産婦人科医に連絡すると、とりあえずすぐに産院に向かうようにとの指示を受け、20時頃産院に到着。そこから3時間半強、23時44分に元気な産声を聞くことが出来ました。産婦人科医、麻酔医、助産師、出産のためにお願いしていた通訳の方々に囲まれながらの出産は、ポルトガル語、英語、日本語が飛び交う中、言われるがままに力むというなんだか不思議な体験でした。

産後産まれたての息子は小児科医の検査を受けるため退室。その他全員分娩室から退出し、すこし寂しく思いながら私は一人ぼっちで2時間程そのまま休憩。その後病室に移動し、早朝4時頃赤ちゃんが再び私の元にやって来ました。

初めての授乳を試み、うつらうつらしていた7時頃に朝食。それから血圧を測ったり、痛み止めの薬を持って来たりと入れ替わり立ち代わり看護師さんがやって来て、その後10時に(早い!)産後初シャワーを浴びよとのこと。看護師さんに支えられ、腰が砕けそうになりながらよれよれとシャワー室に向かい、何とかシャワーを浴びて一段落。

ブラジルでは、家族親戚友人が入院中の母親を見舞う習慣があります。中には、出産を祝って病室で「シャンパンで乾杯!」なんてこともあるそうです。ブラジル式に、私の部屋にも、ブラジルに来てから知り合い、そして妊娠中、支え励ましてくれた友人達が息子に会いに来てくれました!ベビー用品を頂いたり、サンパウロでの情報をいつも親切丁寧に教えてくれたり、おかずを作ってくれたり、産後すぐに駆けつけてくれたり…。

日本の家族や友人達と離れ勝手の違うブラジルで迎えた妊娠生活と出産は、妊婦仲間、先輩お母さんたちの優しさがが身に心に染みる出来事となりました。私はブラジル生活の先輩たちにお世話になるばかりだったけど、今度は私が後に続く方々の力になりたいな。

プロフィール

竹内 香苗(たけうち かなえ)。愛知県出身のフリーアナウンサー。約10年間過ごしたTBSでは『はなまるマーケット』『朝ズバッ!』などに出演。夫のブラジル赴任に伴い12年に同局を退社し、ホリプロに所属。同年11月よりサンパウロ市に滞在している。