東西南北

ニッケイ新聞 2014年3月27日

 26日付フォーリャ紙に、高齢の女性が病院の床の上に横たわった状態で診察を受けるというショッキングな写真が掲載された。これはサンパウロ市南部の州立ジェラル・デ・ペドレイラ病院で20日に撮影されたもので、女性はリタ・アレッシャンドレ・ダ・シウヴァさん(87)。撮影した娘のマリアさんによると、リタさんは便秘に伴う腹痛で同病院を訪れていたが、朝9時44分から4時間待たされた末、ベッドもない部屋の床に横たわって、腸洗浄の処置を受けたという。その後も15分待ったが、検査結果が出るのは午後9時と聞き、母親を自宅に連れ帰り、翌日、別の病院に連れて行った。設備の不備以前に真心の問題か。

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 21日、大サンパウロ市圏サントアンドレで、ジョセファ・マルチンス・ゴメスさん(77)の殺害容疑で夫のエンリケ・ゴメス容疑者(78)が逮捕された。ジョセファさんはアルツハイマーの末期症状を患っており、その様子をエンリケ容疑者は「見ていられない」としてナイフで刺殺した模様。この事件は同容疑者が息子にまず知らせ、涙ながらに「彼女の苦しみはもう終わったんだ」と語ったという。今後どういう司法判断となるか。

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 サンパウロ州保安局が2月の犯罪件数を25日に発表したが、州内での強盗件数は9カ月連続で上昇し、2月では2001年以来の高い数字となった。特にサンパウロ市では前年同月比で47・47%増となり、州平均の37・2%を大きく上回った。サンパウロ市内で最も殺人が多かったのは中央部セーで、カンポ・リンポ(南西部)とカンポス・エリーゼオス(中央部)が続いている。