聖南西=青年部会が初会合、活性化へ=日本代表 歓迎会イトゥーか=「和食イベント」開催決定=天野基金の本年達成は困難か

ニッケイ新聞 2014年4月2日

協議を重ねる山村会長(中央)ら

協議を重ねる山村会長(中央)ら

聖南西文化体育連盟(UCES、山村敏明会長)は先月29日、ヴァルゼン・グランデ・パウリスタ文協で役員会を行い、約50人が出席した。6月のサッカーW杯中、イトゥー市で日本代表が合宿するに当って歓迎会をどうするかに関する件や、和食をテーマにした新イベントの決定、青年部会が初会合を持つなど、活動活性化に向けた兆を感じさせた。ただし「天野基金」の今年中の達成は困難な雲行きになっている。

6月のサッカーW杯期間中、日本代表が合宿を行なうイトゥー市が、聖南西連盟傘下のソロカバとサウトの間にあることから、「歓迎会をできないか」との声が上がっていた。特にソロカバには立派な施設があり、イトゥーからわずか15キロなので「たとえ選手はムリでも、監督や日本サッカー協会関係者を招いて歓迎できないか」とのアイデアもあった。
ところが在聖総領事館に申し込んだところ「公邸での歓迎会すら断られる状況で難しい」との返答だったという。すでにイトゥー市や同文協などが歓迎会を予定していることから、それに合流協力する形にできないか調整を試みることになった。
また、和食が昨年ユネスコの無形文化財に指定されたことを記念した日本食イベントの開催について多数決が行われ、13団体中9団体が賛成した。「各文協婦人部間の交流」「秘伝レシピの拡充」「和食普及」を目的に置き、「開催地巡回」「1団体1品持ち寄り」「非強制参加」が確認された。ただし、開催地や日時は未定。
この役員会と同時に5団体8人が出席し、青年部会の初会合も行われた。部長を務めるのはピラール・ド・スール青年会の森岡田紋さん(24、三世)。この青年部会をまとめる動きの先導役は、同ピラール文協の創立60周年記念行事を機に復活した青年会「青春組」だった(13年6月26日付け既報)。7月13日に懇親会を開催するほか、随時、親睦会を行う方向をまとめた。
山村会長は、青年の自発的な活動を喜び、「若手への継承はもちろんだが、横のつながりも強化したい。和食イベントも、同じように婦人部間の連携を重視している」と、男性陣以外の関係強化を図る考えだ。
各文協が積み立てた金額の2倍を資産家の天野鉄人さんが補填する「天野基金」については、この2年間で11万1300レが積み立てられ、天野氏から援助済みの20万レを足して合計30万レを超えた。この基金に4団体が新規加入するという話題もあったが、2012年開始当初の計画「3年間で100万レ達成」はかなり難しい雲行きだ。
天野氏は「各文協会員の有志が積み立てるなど12月までの達成を望む」と加速を期待し、山村会長は「着実に進展している。必ず達成したい」と強調した。
その他、UCESの活動周知と企業回りのためパンフレットを作成することになり、各文協へ次回までに活動紹介文の提出を求めた。また聖南西教育研究会の30周年記念誌の刊行や、恒例の政治家懇親会を10月17日、ピエダーデで開催することも報告された。