ブラジルで感じる出会いと別れ

ニッケイ新聞 2014年4月3日

日本では、新年度、新学期が始まりましたね。進学、異動など別れと出会いが交差する春。サンパウロは今秋ですが、日本から遠く離れたブラジルにいる私にも気持ちの上での大きな別れが訪れました。
TBSに入社したのは2001年の春。当時TBSでは、入社から数ヶ月の研修を経て正式に社員となる10月に、『はなまるマーケット』内のクイズコーナーで「はなまるエプロン隊」として本格的にアナウンサーとしてデビューするという慣わしがありました。研修を受けているとはいえ、この時は右も左も、放送のいろはも分からないひよっこ。
そのエプロン隊を1年勤めた後、別のコーナーを担当。そして『はなまる』を旅立ち、入社から5年目の時に始まったのが『朝ズバッ!』でした。月曜日から金曜日まで毎朝2時には起きる生活。新たに始まった番組ということで、司会のみのもんたさんはじめ皆で試行錯誤。担当していたおよそ5年間、寝ても覚めても番組のことが頭から離れない日々でした。そして、その後今度はアシスタントとして再度『はなまる』を担当させて頂けることになり、退社するまで勤めました。
いずれも私にとってとても思い入れのある二つの番組が、この春最終回を迎えました。退社していても、ブラジルにいても、なんとも切なく寂しいです。遠くにいるから余計寂しく感じるのかもしれません。
別れと出会いの季節。ブラジルの学校は、新年度が1月下旬から2月上旬に始まり、7月が冬休みで、後半は8月から12月下旬までというのが一般的です。今年は、W杯が開催されブラジル戦の日はお休みになることもあるので、その分例年より早く新学期が始まったところが多かった様です。ブラジルでは1月が別れと出会いの季節ということになるかと思いますが、サンパウロは、1月は夏!暑くカラッとした日が続く時期です。さらにサンパウロは、一日の中に四季があるとよく言われ、朝晩は秋や冬がやって来たかのように寒かったり涼しく、日中は真夏の暑さだったりぽかぽか陽気だったりします。
ちなみにテレビ番組などの改編は、特にいつ行われると決まっている様子は無く、ブラジルの人々がこよなく愛し高視聴率を誇るグローボチャンネルの夜のドラマも、いつも決まった時期に終わるわけでは無い様です。
そんなところにも日本とブラジルの違いを感じつつ、日本での別れに思いを馳せて。そして別れの後は沢山の素晴らしい出会いがありますように。

プロフィール

竹内 香苗(たけうち かなえ)。愛知県出身のフリーアナウンサー。約10年間過ごしたTBSでは『はなまるマーケット』『朝ズバッ!』などに出演。夫のブラジル赴任に伴い12年に同局を退社し、ホリプロに所属。同年11月よりサンパウロ市に滞在している。