本門佛立宗=日教寺での法要に8百人=長松清潤住職の法話に涙=門外不出品が当地初公開

ニッケイ新聞 2014年4月12日

法話を行う長松住職

法話を行う長松住職

サンパウロ市の本門佛立宗中央寺院日教寺で5、6の両日、京都佛立ミュージアムの館長で横浜の妙深寺の住職でもある長松清潤さん(45、京都)が導師をつとめ、法要が厳修された。二日間で約800人が参詣した。

全員が数珠を手にお題目「南無妙法蓮華教」を唱える中、僧侶が入場。壇上には日本の開祖・長松清風の肖像画や数珠など遺品が展示された。これらは日本国内でも京都市から持ち出されたことがない貴重品で、コレイア教伯教区長は「ブラジルに本門佛立宗ができた時からの悲願」と感謝を述べた。

約1時間の法要後、長松住職による法話が行われた。大学時代はジェットスキーでW杯に出場したスポーツマンで、実業家としても充実した青年時代を送っていた長松さんだが、ある時、父親が6メートルの高さから落ちて頭蓋骨を骨折してから、泣き暮らす日々を送ったという。

信者や教務に励まされ、皆で毎日お題目を唱え続けたところ、「医者からも『100%助からない』と匙を投げられた父親の意識が、49日目に回復した。しかも何の後遺症も残らなかった」との体験談を語った。

この出来事を機に「お題目を世界中の人に知らせたい」と本格的に信仰の道へ。「自分だけのための信心ではだめ。本当に困っている人のところへ行ってお題目を唱える中で、ご利益は発揮される」と説いた。来場者は涙したり数珠を握りしめたりと、真剣に耳を傾けていた。

信仰37年目という国方輝子さん(64、三世)も、28歳でリュウマチに罹り歩けなくなった経験がある。「必死になって毎日題目を唱えた。びっこを引きながら会社に復帰した時はびっくりされた。病気の時、困った時に信心が目に見えてくる」としみじみ語った。

また法要では、佐藤雅江局長から〃佛立植民地〃となるサンパウロ州タピライ市の土地に法塔が建設されることが報告された。来訪者が湖を挟んで塔を仰げるデザインで、9月14日に地鎮式、来年7月26日に建立式が行われる。

建立式に向けて1トンの本鐘を日本の富山県で鋳造しており、この鐘はタピライ市長に依頼し、広島県に世界で4つ目となる「平和の鐘」として認証を受けた。コレイア教区長は「来年は終戦70周年記念。皆の弔いと世界の恒久平和を願いたい」と語った。