サントアンドレ=署内で日系医師を射殺=市警が強盗と勘違いして

小さな交通事故の調書(BO)を作成するため、26日にサンパウロ州サントアンドレ市の市警第2署を訪れていたリカルド・セイイチ・アサノメ(27)さんが、署に侵入した強盗と間違えられ、市警に頭を打ちぬかれて死亡する事件が起きた。
28日付フォーリャ紙などによれば、26日午後6時半ごろ、二人の男に襲われた私服の軍警が同署に逃げ込み、彼の乗っていたバイクが爆音をたてた。突然の騒音などに驚いたリカルドさんとその恋人ら対応を待っていた4人の市民が署内の受付の後ろに駆け込んだ。それをアンドレ・ボルドウェル・ダ・シルバ市警(通信担当)は強盗が署に侵入したと勘違いし、市民らに10発発射した。リカルドさんの頭を打ち抜き、他の一人も負傷を負った。
さらに、同僚が襲われていると勘違いして銃撃戦に加わった捜査官により、アンドレ市警も胸を撃たれた。誤りや不正を内部捜査する市警監察局が、殺人現行犯でアンドレ容疑者を逮捕した。
リカルドさんは両親と共にサントアンドレ市に住み、ABC医科大学を卒業後、大サンパウロ市圏の小児科で医師として働いていた。同署を共に訪れた恋人とは、近々結婚する予定だったという。事件後、同市の病院に運ばれたが、27日の午後逝去した。
おじのアサノメ・エリオさんは「少なくとも、警察には何が起こったのかを明らかにしてほしい」と話している。