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ガルボン街工事=18日に通行止め解除へ=工事説明会で責任者が明言=不満ぶつける近隣商店主ら

 サンパウロ市リベルダーデ区の文協横のガルボン・ブエノ街、シケイラ・カンポス街の低地地点が昨年末から工事のため、部分的に通行止めとなっている。事前に周辺住民や商店主への通知なく始まったことや、内容や終了の見通しが明らかでないことに周辺住民などから多数の苦情が寄せられていた。野村アウレリオ市議の働きかけで9日午前、工事関係者による説明会が文協で開かれ、約100人が参加した。工事関係者らによりガルボン・ブエノ街は18日、シケイラ・カンポス街は7月初旬に交通止めが解除されると明言された。

ガルボン・ブエノの工事箇所

ガルボン・ブエノの工事箇所

 「サンパウロ市の地下は非常に複雑。いざ掘ってみると障害物が多数あるなど予想外なことがありすぎる。はっきり言って工事状況は良くない」。説明会の冒頭、工事の総責任を担うサンパウロ市都市インフラ整備局(SIURB)のミシェル・カンジェ技師はそう明かした。「近隣に迷惑がかかっていることにお詫びする。地下雨水排水網の緊急整備をし、状況を改善するために行われている工事で、なるべく早く終わるよう最善を尽くしている」と付け加えた。
 ガルボン・ブエノ街の工事については、「問題はサンジョアキン街からはじまった。大雨の際に地盤沈下が起こり、建物まで被害が出た。2年前、ふたつの古い地下排水網が公共道沿いではなく、建物の地下などにあることが発覚し、新しい排水管を入れて古いものを遮断した。さらに11メートル下に古い排水管が見つかったが、そこまで到達することができず、完了しないまま蓋をしてしまった」と語る。
 現工事は当時の工事を完了させるために行っており、「セメントを混入した資材で土地強化が完了し、今後は新しい排水管を通すための穴をふたつ残し作業をする」と説明した。18日の通行止め解除を目指している。
 シケイラ・カンポス街の方は、昨年末に降った大雨の際、地盤沈下が起き、穴をふさぐ工事を行った。ところが次週に同じ問題が再発し、掘って原因究明することになった。一時は周辺住民がゴミに火をつけて抗議行動を起こす騒ぎにもなった。
 ロベルト・ケプラー技師によれば「あの一帯は昔、坂が多かったが、開発がすすむにつれ平らにされ、地理的特徴が変わったことが最大の原因」。昔設置された排水網は老朽化し、付近の開発が進む中で電線やガス管と混在して地下が複雑化した。そんな中で下水管に雨水の配管に流れ込んで詰まるなどして問題が多発するようになった。サンパウロ州水道局(SABESP)と連携して新下水管の設置を行い、措置をとった。2カ月後の完了が目標だという。
 近隣商店主や住民が疑問をぶつけ、複数の商店主らから、「せめて事前に説明がほしかった」との訴えがあった。「工事のせいで客足が遠のき、店に多大な損害を与えたことは保障してくれないのか」と中華料理屋経営者の訴えに対し、野村市議は「司法の場で解決するほかない」と答えた。

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