北海道祭りで終日にぎわい=95周年式典に向け団結固め

 北海道協会(大沼宣信会長)主催の「第19回北海道祭り」が5月25日にサンパウロ市の同会館で開催され、約400人が来場し終日賑わいを見せた。
 会場に足を踏み入れたとたん、立ち込める煙と共に焼き魚の香りが広がる。同祭りの目玉は何と言っても炭火でじっくりと火を通す「焼きにしん」と「焼きいか」だ。
 にしんは毎年この日のために500匹を確保し、日本から輸入するという念の入れ様。また大きめのイカもブラジルでは捕れない種類のため、アルゼンチンから500パイ輸入している。その甲斐あってか開場と共に列ができ、人が絶えることがなく、閉場前までには必ず完売するとか。
 その他、北海道にふさわしく魚介をふんだんに使った「北海ちらし」、「いちご大福」も昼過ぎには完売となった。
 来場者の一人、三島せいさん(87、北海道)は、「故郷の味と同じなので毎年来る。他の所とは味が全然違うし、食べると懐かしさがよみがえる」と嬉しそうに語った。会場を見回すと家族三世代で来場している人も多く、当地においても北海道の味がしっかりと根付き、受け継がれている事がみてとれた。
 同協会は今年、移民95周年という節目の年で10月19日に式典が予定されている。大イベントを控えているだけに大沼会長は、「内容は去年とほとんど同じだが、式典には多くの人に来て欲しいので、その予行演習として特に宣伝に力を入れた。目標のために皆で団結でき、とても充実した」と満足そうに語る。
 その一端を担ったのは青年部部長を務めた鈴木幸さん(29、三世)だ。本人は「皆に盛り立てられて務められただけ」と謙虚に語る。青年部は20年以上前に発足し、この日も30人~40人の青年会員が皆で各持ち場に精を出していた。
 大沼会長は「協会は若い人がいなければ成り立って行かない。青年部はとても頼もしく安心して任せられる」と全幅の信頼を寄せている様子。「百周年に向けて今年は第一弾のプロジェクト。まずはみんなで式典を成功させたい」と次の目標に向けて決意を新たにしていた。
 なお式典には知事の来伯を打診しており、道庁職員、県議会議員、市町村議員らと合わせて盛大に催される予定。