子供王将戦=連盟会館で初の単独開催=カサビ元市長の甥が優勝

 チェス名人ジェームズ・M・トレードさん(53)主催の「第4回子供王将戦大会」が1日、リベルダーデ区の将棋連盟会館で行なわれ、8歳から18歳までの24人が参加した。ブラジル将棋普及会(山田考由会長)後援。
 ジェームズさんはブラジルチェスランキングで2位になったこともある実力者。4年前から将棋に傾倒し、サンパウロ市でチェス教室を開く傍ら、「色々なことをした方が、世界が広がる」との理由で教室後に子供たちに将棋を教えている。
 同会館で「子供王将戦大会」が単独で開かれるのは初めて。山田会長は「ブラジル社会にどうにかして将棋を広めたい。いつでも使ってもらいたい」と協力を惜しまない。
 出場者は年齢に応じて4つのグループに分かれ、腕を競った。ガブリエル・カンシアンくん(11)は3年前から将棋を始め、「駒の種類が多くて戦術が沢山あるのが楽しい」と大会を満喫。チェス世界選手権にも出場したことのある星野美怜ちゃん(9)は、「チェスの方が好きだけど、取った駒が使える所が面白い」と将棋を楽しんだ。
 空き時間には同会で10年間指導員を務める柴田真さん(74、群馬)が子供たちに詰め将棋を教えるなど、日伯の将棋交流も行われた。
 15から18歳の部で優勝したのはカサビ元サンパウロ市長の甥マルコス・カサビくん(18)。5戦全勝で優勝を飾った。「練習の成果が出て良かった」と喜ぶも、前大会と比べ「厳しい勝負が多かった」と、参加者の実力の高まりを実感したようだ。
 各グループ優勝者は以下の通り【8歳以下の部】グスターヴォ・タイ【9、10歳の部】男子=チアーゴ・ユキオ、女子=星野美怜【11、12歳の部】男子=ガブリエル・カンシアン、女子=リビア・アイコ・トレド【13、14歳の部】ルーカス・コーイチ・コバヤシ、女子=星野華怜【15から18歳の部】マルコス・カサビ(敬称略)