東西南北

 今日からいよいよW杯開催だが、それに先立つ10日、ジウマ大統領はテレビとラジオでの政見放送を行なった。大統領は10分間の放送中、開催期間中のマニフェスタソンは認めるが、行き過ぎた過激な行動は抑制すると語った。同杯に関する政府支出や工事の遅れなどへの批判に対しては、「ペシミスタ(悲観主義者)は負けるのみ。スタジアムは出来たし、空港だって2003年と比べると8千万人も輸送客が増えている」と語った。支持率下降中の大統領に効果はあるか。なお今日の開会式では罵声を避けるため、開幕は宣言するが演説はしない。
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 サンパウロ市議会で10日に予定されていた総合開発計画案の2度目の承認が、W杯開幕後に先延べされた。それは、今日行なわれるイタケロン・スタジアムでのW杯の開幕戦チケットが市議会に17人分しか行き渡らなかったためという。サンパウロ市議員は55人おり、3分の1弱の議員しか見に行けない計算となる。当局によると、市政府には94枚のチケットが割り振られたが、市の局長らや裁判所などにも配布したら17枚になったという。市議たちも自腹で買う準備をしておくべきだったか。
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 今日のW杯開幕戦、ブラジル対クロアチア戦で審判をつとめるのは日本人の西村雄一氏で、11日付伯字紙がそれを大きく報じている。それは前回10年大会の準々決勝の対オランダ戦でブラジルの敗因となったボランチのフェリッペ・メロの退場を言い渡したのが西村氏だったからだ。伯字紙はファウルの多いダニエル・アウヴェスやルイス・グスターヴォに「気をつけろ」と呼びかけている。