W杯特集「戦うにはまず敵を知れ!」 ギリシア料理『ACROPOLES』

 20日に控える第二戦のお相手ギリシャは、FIFAランキングではなんと12位。48位の日本を軽くしのぎ、代表選手らは身長が高く屈強な、ギリシャ彫刻のような体格の持ち主ばかり。もし一戦目が引き分け(敗北は想定外)の場合、3戦目の強豪コロンビアに比べれば、ここで何とか一勝したい相手だ。
 早速、サンパウロ市で有名なギリシャ料理店、ボン・レチーロ区の「ACROPOLES」に出撃だ~!
 1959年に創業とあって、すでに同区の顔。よく太ったブラジル人の店員がニコニコしながら前菜を運んできた。タコのビナグレッチ(酢の物)、にんにくの効いたジャガイモのパテ、きゅうりのヨーグルト和えなどの盛り合わせで、パンによく合う。「う~ん、地中海の香り…」「タコがうまい!」。あっさりしているので腹の準備運動にぴったりだ。
 メインの海産料理はすでに出来上がっているので、舌なめずりしながら実物を見て注文するという寸法だ。温めてすぐに出してくれる。白と青が基調の飾り気のない素朴な店が、だんだんギリシャの町並みに見えてきた。
 まずはイカの詰め物をぱくり…「うん、海産物のコクとトマトの酸味がマッチしてて、最高!」お次は海産物リゾット。「イカ、タコが柔らかくなるまで煮込まれていて、うまーい!」。そしてトマトの詰め物…。
 ふと、隊員の手が止まった。「ちょっと戦法が単調すぎじゃないか?」…全て美味いが、よく見るとほとんどがオリーブ油とトマト味だ! しかも、ギリシャ人は詰め物が好きと見た。
 つまり、ギリシャの単調な攻撃パターンを見抜き、〃詰め物〃のように固まったディフェンスを鋭く切り裂く、ナイフのような日本代表の攻撃力に期待だ!

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 わずかにトマト味を逃れたのは、ムサカだった。揚げナス、ひき肉、マッシュポテトを重ねてホワイトソースで焼いたグラタンのようなもので、日本人の口によく合う。
 「トマト味に頼りすぎる嫌いはあるが、海産物の扱いは見事だ」。食べ応え抜群でしっかり腹は満ちた。
 でも、入り口のガラスケースの中にはデザートが。「罠かも」と慎重に5種を注文した。運ばれてきたデザートを見るなり、隊員に沈黙が走った。「地中海地方、もしや大洪水?」。隊員がつぶやいた。全てがハチミツらしきものに漬かっている…。パイ風のカタフィにフォークを指すと、ジュワっとハチミツ風の砂糖水(?)が染み出した。口に入れた隊員の顔がゆがんだ。「あまー!」。日本代表よ、〃甘い罠〃に注意せよ!

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 ◆ACROPOLES

【営業時間】月~日曜日の午前7時半~午後9時
【住所】Rua da Graça, 364, Bom Retiro
【電話】(11) 3223-4386
【サイト】www.restauranteacropoles.com.br

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「忍者ぐるめ隊」欄は、本紙記者が市内レストラン等をこっそりと〃お忍び〃で訪れ、日本人の視点から味・接客対応・トイレの清潔度をチェックして、ばっさりコメントするコーナーです。評価欄は、手裏剣1つは「普通」、2つは「旨い」、3つは「最高」で、〃要注意〃には爆弾マークが付きます。(《註》なお、この欄はほぼ冗談です。お店の方、本気にしないで)