パッセ 2=〃救世主〃ニシムラ有名に

 「ニシムラ」という名前が一気にブラジルで有名になった。もちろんW杯開幕戦の西村雄一主審だ。日本人が当地メディアの話題に上るとき、その評判が良いか悪いかは、当地在住者としては大変に気になるところだ。
 ズバリ言って、今回は大変評判がいい。繁華街のスポーツバーで観戦した弊紙記者などは、「日本人」というだけでブラジル人から握手を求められ感謝された。
 優勝を期待された地元開催の開幕戦で、開始10分でオウンゴール、さらにネイマールにイエローカード。最悪の雰囲気の中、前半29分にようやく同点。後半25分まで押され気味の重苦しい展開で、追加点を許したら負けもありえた。
 そんな窮地にペナルティーを出してくれた〃救世主〃として、リオのキリスト像に西村審判の顔を組み込んだ合成写真もネット上に出回っている。日本代表の初戦惜敗は残念だが、早く気持ちを入れ替え、昨年のコンフェデ杯イタリア戦の時のように、目の肥えたブラジル人を唸らせる試合を期待したい。(ニッケイ新聞・深沢正雪)