「文化を心の栄養に」=今年も盛況、石川文化祭

 石川県人会主催の「文化祭」が14、15の両日開かれ、約260人の来場で賑わった。同会で開催されている文化教室の発表会として年に一度開かれる。俳句、陶芸、水彩画、絵手紙、生け花、謡曲、能楽の各講座や展示即売会、発表会、ワークショップなどを行った。
 文化に親しむ人々による、県系を越えた親睦の場でもある。同会で生け花を教えて約20年になる池坊華道会ブラジル支部長の河村徳子さんは、「石川県は文化の面ではトップ。皆協力的で本当に熱心」と同会の活動をたたえる。
 初日は、謡曲でしめやかにオープニング。日系人、日本人に加えて若い非日系の学生も多数参加し、厳かな舞台を見せ付けた。日本での能経験20年、当地での能普及につとめる小笠原潤さんは、「この文化祭に来ると、夏の暑い日に谷川のせせらぎに出会ったような気分になる。心の栄養にさせて頂いた」と挨拶した。
 絵手紙講座のメンバーは、おそろいのTシャツを着てワークショップを開催。「先生にちょっと静かにしなさいって言われるくらい、いい雰囲気の教室ですよ!」と江坂園江さん(74、大阪)は仲間と一緒に楽しげだ。
 半分に切られた梨の絵に「ゴメンネ半分しか残らなかったの」と書き添えた西藤啓子さん(71、東京)は、「書こう書こうと思ってる内に、半分食べちゃった」と、自身の作品を前に大笑いした。
 オープニングの後は餅つきやカレーの昼食で和気藹々と団欒した。森永正行ジェラルド会長(65、二世)は「会員の交流が続くように、昔からずっと続いてきたイベント。9年前に来た県知事も、文化祭を見てすごく喜んでくれた」と話した。