ホーム | 日系社会ニュース | 日本ハムがブラジルに再進出=製造販売でブランド確立へ
西裏昌弘代表取締役社長
西裏昌弘代表取締役社長

日本ハムがブラジルに再進出=製造販売でブランド確立へ

 食品加工メーカーの大手「日本ハム株式会社」(英語名・NHフーズ、本社=大阪市)が4月、サンパウロ市に「NHフーズ・ブラジル有限責任会社」を開設した。当地での語学研修経験等がある西裏昌弘さん(38、富山)が代表取締役社長に就任、当地に「NH」ブランドを確立すべく再進出に乗り出した。
 同社は20年近く当地に事務所を置き、現地加工食品メーカー「サジア」などから原料の買い付けを行っていたが、07年にいったん閉鎖していた。今回は事業の方向転換を図り、改めて進出した。
 日本国外では16の国と地域に62カ所の拠点を持ち、食肉、水産品や野菜など多彩な食品を扱う。本社が10%未満に留まる国外での売り上げを拡大する方針を掲げたのを機に、「恩返しのチャンス」と自ら当地赴任を志願した。
 「一からのスタートでまだ市場調査の段階だが、3~5年以内に工場を作り、10年以内に内販の基盤を作りたい」と語る。ブラジル国内での加工・販売を目指し、原料調達と内販を2本柱に長期的視野で事業を拡大するという。
 ハム・ソーセージが主力商品だが、ハンバーグや牛丼、カレーなど惣菜のレトルトパック、海鮮丼や寿司ネタの冷凍パックも生産している。こうした生産技術を利用し、「フェイジョアーダなどブラジルの国民食も食卓にお届けしたい」との考えもある。
 「まずは日系人の方に知って頂きたい。できれば定年まで駐在し、ブラジルの皆さんから『NHフーズが来てよかった』と言ってもらうことが大目標です」と腰を据えて新事業に取り組む姿勢を見せた。

image_print