ボイスベン号同船者会=23人が笑顔で再会

 着伯53周年を記念し、移民船「ボイスベン号」の同船者会が26日にサンパウロ市のレストラン「Rancho da TRAIRA」で開かれた。50周年記念として3年前に始まり、毎年実施されている。今年も23人が久しぶりの再会を喜び、昔話に花を咲かせた。
 「今年も開催されて良かった」と喜ぶのは三宅大作さん(83、滋賀)と森岡行雄さん(72、富山)。「来たのは一緒だけど、それからの人生は皆バラバラ。他愛無いことばかりだけど話すことは尽きないよ」と楽しそうに笑った。
 「中国人の料理人が作るアヒル肉の焼きそばは絶品だったね」などと当時の話題で盛り上がっている一団の中で、坂本貴代美さん(64、福岡)は「夕食後に行われるビンゴ大会と船内の大きなお風呂が楽しみだった。赤道祭や寄港地の風景、移民船での体験はどれも忘れられない良い思い出です」と当時に思いを馳せた。
 会の呼びかけ人であり、会場となったレストランオーナーの坂口功治さん(65、福岡)は「皆が年をとっても続けていきたい。家族や孫に我々の体験を受け継いでもらえたら嬉しい」と話し、来年の開催を誓った。
 ボイスベン号は、1961年5月17日に神戸を出港。香港、シンガポール、ケープタウン、ポートエリザベスなどに寄港し、同年7月8日にサントスに到着した。乗船者数は約260人。