慶応医学部派遣団が来伯=「医療の根本を見た」

 慶応義塾大学医学部国際医学研究会(IMA)の「第37次派遣団」(竹内裕也団長)が今年も来伯、3人の学生がアマゾン、クイアバ、サンパウロ市などで医療研修を行っている。
 医療資源の乏しい地域での活動を通して医の原点を体験し、各地の医学生と交流することが目的。1978年から継続している。
 3人は6年生の夏休みを利用し、7月20日~今月29日まで滞在。はじめにアマゾンでの巡回診療船に同乗し、続くクイアバでは先住民の村で高度医療を提供する非営利組織EDS(Expedicionários da Saúde)の活動に初参加した。
 今月中旬はベレンとトメアスでメダボリックシンドロームの検査を実施。日本人との有病率の比較等を行うという。サンパウロ市では20日にサンタカーザ大学で「第27回日伯医学生会議」に出席する。
 今枝昇平さん(23、兵庫)はアマゾンでの研修を振り返り、「限られた医療器具で工夫して医療活動をしていたのが驚き。医療の根本を見ることができた」と話した。
 国際保健や発展途上の医療に関心があるという工藤裕実さん(25、兵庫)は、「先住民と医療チームとの間に長年かけて築かれた信頼関係があり、すばらしい」と感動した様子。
 祖父が当地に駐在経験があり、ブラジルに関心を持ったという加藤悠人さん(23、東京)は、「学生の内にしかできないことをやりたかった。1カ月半じゃ足りないくらい」と笑顔を見せた。
 14次派遣団に参加した竹内団長(46、神奈川)は今回で来伯4回目。サンパウロ市での講演も予定している。「ブラジルを見るだけで世界の広さを知ることができる。学生には良い刺激」とエールを送った。