■ひとマチ点描■首相サインにニッコリ=中尾契信さん(65、山口)=サンパウロ市

 まさかの安倍晋三首相の直筆サインを手に入れた。『岸信介の回想』『安倍晋三と岸信介』の2冊に刻まれた署名をまじまじと見入り、「達筆ですね。同じ長州人として尊重してくれた」と称える。
 文協大講堂で今月2日にあった歓迎会後の記念撮影で、隣に立った首相の肩を叩き、「山口出身の者です。本にサインして頂けますか」と大胆にも声をかけた。「秘書に渡しておいて下さい」と言われ、現場にいた在聖総領事館の職員にことづけた。
 同月15日午前11時ごろ同総領事館から一本の電話があり、急いで同館に向かうとサイン入り書籍が届いていた。「伯在住でも日本人を大切にする、それが本物の政治家」と感心する。
 今年初めに帰省した際、山口県萩市の松陰神社で、安倍首相の長期政権を祈願したという中尾さん。いとこは父・安倍晋太郎の選挙活動にも関わった。思い入れがあり、何かしらの縁を感じていた首相からのサイン。「家宝ですよ。私が死んだら、移民史料館に寄付しましょうか」と微笑んだ。(祐)