大耳小耳

 30歳のころ旅行で初来伯した中島紀于社長は、「広大で肥沃な大地を持つブラジルでいつか仕事がしたい」との大望を抱いた。その夢を実現するために岐阜で工務店を育て上げ、今では名だたる会社となり、「忙し過ぎてブラジルまで中々来られない」と笑う。80周年の時、日本館運営委員の田村ワルテル元委員長から誘われ改修に携わり、夢の一端は実現した。伊藤誠施副委員長はその手腕を「組み込み式の製材部品は、糸も通らないほどすきまがない見事な出来」と評し、絶大の信頼を寄せた。外交樹立120周年の来年には、手入れの行き届いた日本館が見られそうだ。
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 ブラジル岐阜県人会(山田彦次会長)が2012年から取り組んでいた「県人会年表」が、今月中に脱稿予定だと同県人会便り7月号にある。当初、昨年中の完成を予定していたが、資料損傷や会館移転時の新旧資料の混交が原因で、予定が大きく遅れてしまった。しかし、今回の取り組みで、今まで知られていなかった姉妹都市交流の活動内容もわかったという。年表作成はあらゆる移民史調査の原点であり、日系社会の研究者には朗報といえそうだ。
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 ネット上に「外務省海外安全ホームページ」の海賊版が開設されており、外務省は「酷似しているが一切関係ない」と注意を呼びかけている。正規サイトが「anzen .mofa.go.jp/」なのに対し、模倣サイトは「anzen.mofa.go.jp.◎◎◎.org/」と◎◎◎部分に余分な文字が混入している。ウィルス感染やメールアドレス不正入手等の被害につながることもあるので、閲覧する方は正規のサイトをお気に入り登録するなどして対策を。「安全情報」のサイトまで海賊版が作られるとは、まさに日本を一歩出た時に直面する現実そのもの?!