援協、文協、アルモニア会長へ=外務大臣表彰の伝達式=菊地「仲間達がもらった賞」

 2014(平成26)年度外務大臣表彰伝達・祝賀式が4日、在サンパウロ総領事公邸で行われ、菊地義治(74、岩手)、木多喜八郎(70、二世)、和田忠義(80、二世)3氏が受賞した。各日系団体の関係者と家族・友人ら約50人が見守る中、福嶌教輝総領事から賞状と記念品が授与された。
 菊地氏はサンパウロ日伯援護協会会長として、在伯邦人及び日系人の福祉と医療の向上に尽力した功績が認められた。日伯友好病院の運営委員長等の要職を歴任、自閉症児療育施設PIPAを創設したほか、サンミゲル・アルカンジョ病院も建設・開所している。
 菊地氏は「日本移民の先輩や苦楽を共にした仲間達がもらった賞だと思う」と述べ、2月にすい臓炎で入院した妻のマリーザさん(73、二世)の看病を通して「家族の大切さを改めて感じた。ブラジルに来たからこそこの家族を築くことが出来た。本当に幸せ」と語り、「これからもブラジルの困っている人々の力になっていきたい」と意気込んだ。
 木多氏は、ブラジル日本文化福祉協会会長に09年から就任し、農業関連交流委員会の設置、国士舘スポーツセンターの整備及び桜祭りの規模拡大、同会ビル改修工事等の事業を実施し、日本文化の継承と日系社会の発展に貢献したという。97年から09年までは希望の家福祉協会の理事長に就任し、福祉の向上にも努めた。木多氏は「今の自分があるのは多くの友人達のおかげ。これからも日本文化がブラジル社会に溶け込んでいくよう努めていく」と話した。
 和田氏は社会法人「アルモニア教育文化協会」の会長を長らく務め、同会が運営するアルモニア学園が地域の進学校として高い評価を得るのに大きく貢献。日本との交流事業にも熱心に取り組んでいる。
 日本政府と関係者に感謝を述べた後、「日本精神が生徒の人格形成に良い影響を与えている。日本とのスポーツ交流事業も今年で15年目。これからも励んでいきたい」と話した。
 福嶌総領事は「三者は日伯両国の関係にとって多大な貢献をされた。こうした長年のご尽力、誠実な姿勢がブラジル社会全体の発展に寄与している。深く感謝する」と話した。その後は会食となり、記念撮影や懇談など和やかに終了した。