湖西市女児交通事故=サンパウロ州検察局長が特別に上訴=裁判所は受理の可否を審議

 2005年10月に静岡県湖西市で山岡理子ちゃん(当時2歳)が死亡した交通事故で、事故直後に帰国し、日本政府の代理処罰要請に基づき当地で起訴され、二審で時効判決が出たパトリシア・フジモト被告について、サンパウロ州検察局のフェルナンド・エリアス・ローザ局長は8日、時効成立を認めた同高裁の判決を不服として上訴した。州裁のサイトで明らかとなり、本紙の取材に同裁の広報担当者が認めた。
 同職員によれば、この上告は局長にしか権限がない特別なもので、「時効判決を不服として上訴した」と説明している。この上訴が連邦司法高等裁判所(STJ)で受理されるかどうかは今後判断される。
 本紙の取材に在聖総領事館も確認したが、ただし「現在事実関係を照会している」とするにとどめた。
 控訴審の判決は4月14日に公表され、再審査を求める上訴が検察側から6月2日に出ていたが、州高等裁はその申し立てを7月14日付の判決文で却下していた。判決文で報告担当判事は「痛みを償う行動をしなかった」として被告を非難しているものの、「それが刑期を延ばす理由にはならない」としていた。