沖縄県人会=百周年写真集ついに完成=「一世から若者への贈り物」=24日に出版祝賀会

 沖縄県人会(田場ジョルジ会長)が県人移民100周年記念事業として取り組んできた写真集『写真で見るブラジル沖縄県人移民の歴史』(全384頁フルカラー)の記者会見が16日、同会館で行われ、編集委員ら13人が喜びの報告を行った。24日午後7時には、同写真集と別冊付録『笠戸丸沖縄県人移民325名名簿及び簡単な足跡』(66頁)の出版祝賀会が同会会館行なわれる。

『写真で見るブラジル沖縄県人移民の歴史』と別冊付録『笠戸丸沖縄県人移民325名名簿及び簡単な足跡』

『写真で見るブラジル沖縄県人移民の歴史』と別冊付録『笠戸丸沖縄県人移民325名名簿及び簡単な足跡』

 両書には、笠戸丸移民末裔家族からの提供写真や、編集委員が全伯各地を自費で訪ねて発見した写真など、合わせて約1500枚が掲載されている。与儀昭雄県人移民100周年祭典実行委員長は、「貴重な写真も意味が理解されなければ、処分されてしまう。多くの写真を載せることが出来て良かった」と出来栄えを喜んだ。
 3500部印刷され、県人会員を初め、各支部や沖縄県庁、各市町村、海外県人移住地、人文研などの関係機関へ無料で送られる。出版費用は13万レアルかかったが、西本エリオサンパウロ州議の働きかけにより、サンパウロ州から全額が補助された。
 宮城あきら編集委員長は「カンポ・グランデやパラナなどの関係者を訪ねて集めたこれらの写真は、我々の血と汗と涙の結晶。笠戸丸移民家族から、今まで見たことなかった貴重な写真を譲り受けた時は、言葉に出来ないほど感動した。一世から21世紀を担う若い世代への贈り物です」と記念誌編纂に6年かけた熱い想いを語った。
 別添付録の名簿には、笠戸丸で移民した沖縄県人325人分の生年月日や出身地、足跡が記載されている。宮城委員長は「各種名簿を再検証して正確を期した。顔写真付きで90人分を掲載したのは、かつてないこと」と自信をのぞかせた。
 24日午後7時には、会員、関係者を招いての出版祝賀会が同県人会館で行われる。