ブラジルから陛下の弥栄祈る=サンパウロ市で天皇誕生日祝賀会=文協や総領事公邸で祝う

 23日に81歳を迎える今上天皇陛下の御誕生日を祝し、日系諸団体と在聖総領事館が3日、それぞれ祝賀会を行なった。午前9時から行なわれたリベルダーデ区文協での祝賀会には約50人が、その後、モルンビー区の総領事公邸には約400人が集まり、ブラジルから天皇陛下の繁栄とご健康を祈った。

総領事公邸に集まった人々

総領事公邸に集まった人々

 文協ビル9階の移民史料館で開催された祝賀会で代表して祝辞に立った木多喜八郎文協会長は、「81歳という長寿を健やかにお迎えになり、ブラジル日系社会を代表し謹んでお喜び申し上げる。日本の繁栄と平和を願うお姿に感動を覚え、皇室のさらなる弥栄を切に願います」と述べた。
 遠方ではノロエステ連合日伯文化協会会長の白石一資氏も訪れた。佐野浩明首席領事は「コロニアでの催しに感謝します。天皇陛下は常に公務に取り組んでおられます」と現在のお姿を報告した。「日本の象徴である陛下のご健康を祈念しましょう」と本橋幹久県連会長が参加者と万歳三唱し、菊地義治援協会長が乾杯の音頭を取った。
 ほぼ毎年、サンパウロ州プロミッソン市から駆けつける安永忠邦さん(93、二世)は「古くから天皇誕生日(天長節)は四大節に含まれる重要な節目。コロニアにとっても一番大切な行事です」と開催意義を語った。
 上原幸啓元文協会長は、「かつてはどの家庭にも両陛下の御真影があった。現代でも天皇陛下を思う気持ちや、日本人の誇りを忘れてはいけない」と話した。
 共催団体としては当日、他に池上アントン(アリアンサ)、小坂誠(熟連)各代表が、来賓には上野秀雄(商議所)、深沢陽(国際交流基金)両氏らが出席した。
 正午からはモルンビー区の総領事公邸で、華やかに祝賀会が開催された。日系団体や日系企業代表のほか、ブラジル政府関係者なども訪れた。
 福嶌教輝総領事は招待客一人ひとりと握手を交わして出迎え、「天皇皇后両陛下の益々のご健康をお祈りいたします」と祝辞を述べた。その後、W杯開催や安倍首相来伯など2014年の出来事を振り返り、今後の日伯関係の強化に貢献することを誓った。
 ブラジリア連邦高等裁判所で日系初の判事を務めた上田雅三さん(72、二世)は「陛下には3度お会いしたことがある。日伯関係について深くご存知で、とてもお優しい方でした。これからもお元気でいていただきたいです」と話した。