友好病院に「山本恵一講堂」=援協への協力貢献讃えて

 サンパウロ日伯援護協会(菊地義治会長)は日伯友好病院で15日、富山大学名誉教授の山本恵一氏(87、石川)=石川県在住=の功績を称え、山本恵一講堂オープニング式典を開催した。尾西貞夫、坂和三郎両副会長ら援協関係者をはじめ、安部順二元下議、長沼智之氏領事らが参加した。
 山本氏は金沢大学医学部を卒業後、同大学講師を経て、富山医科薬科大学の教授に就任。1994年に定年を迎えたのち、JICA医療協力プロジェクトのチームリーダーを02年まで務め、出血性消化器疾患の診断、治療技術の向上、貧困地域住民の医療サービスの改善に力を注いだ。
 日伯友好病院の医師・看護師等の訪日研修を企画実行し、私費支援を08年に至るまで行い、これまで十数人の訪日研修を実現した。
 体調不良で欠席した本人に代わり、佐々木弘一援協理事が謝辞を代読した。「身に剰る光栄と存じて感激」と喜びつつ、「現在の気力・体力では、お招きに応ずる状況にない。病める老衰の体調が許すならば、生涯最後の訪伯の機会に強く惹かれる」との無念の想いを寄せた。
 JICAの村上ヴィセンテ職員は「これほど人間味のある医者に出会ったことがない」と語った。菊地会長は「勤勉で実直。技術支援だけでなく、精神的な医者としての心構えを同病院の医師に教え広めて頂いた。〈医は仁術なり〉という言葉を体現する方」と称え、「山本先生の意思を引き継いでいくのが我々の使命」と語った。