日本語センター=ふれあいセミナー閉講=「寝食共にした仲間は特別」=最後の合唱で感極まる生徒も

 今月13日から開かれていたブラジル日本語センター(板垣勝秀理事長)主催の「第16回日本語ふれあいセミナー」(志村マルガレッチ実行委員長)が16日、終了した。閉講式には板垣理事長、日下野良武元副理事長、本橋幹久県連会長らが出席した。
 全伯に加え、ボリビアの日本語学校から計120人の生徒らが参加し、演劇発表やリベルダーデ地区への遠足、NGK工場見学など4日間のプログラムをこなした。
 閉講式前に行われた体験発表会では、各グループが感想文を作成し、代表者が壇上に上がってスピーチを行った。麻生崇雄エニオ君(15、四世)は「あっという間の4日間だった。ここで得た経験を活かして、将来は日伯の懸け橋になりたい」と頼もしく語った。
 飯山和美さん(17、三世)は3度目。「参加を重ねるごとに責任感が強まった。参加者としては最後になるが、今後もモニターとして出席したい」と笑顔で語った。
 同セミナーを卒業した生徒はのべ2千人にも及ぶ。志村マルガレッチ実行委員長は「日本語を学ぶ同世代との横のつながりを作ってもらいたい。それぞれの日本語学校に戻り、別の生徒へのいい刺激になれば」と期待している。
 ボーイスカウト経験のある本橋県連会長は自らの青年時代に重ね合わせ、「寝食を共にした仲間との絆は特別なもの。何十年経ってもなくならない」と温かく語りかけた。
 セミナーの最初から先生として見守り続けてきた〃ふれあいのお母さん〃こと青木敏枝さん(福岡)は、これまでを振り返り、「16年間1度も休まずにお手伝いしてきた。それができたのは、子供たちの成長を見られたから」と語った。セミナー初期に参加した生徒で、今では先生として参加する人もいるという。
 会の最後には「Believe」(杉本竜一作詞・作曲)が合唱され、感極まり涙を流す参加者もあった。その様子を見ながら、板垣理事長は「ふれあいの本当の意味を理解してくれたと思う。来年以降も引き続き開催したい」と満足げに話した。