パラナ州=日伯修好120周年開幕式=州県45年、入植百周年も=知事「日本式は州の理念」

 【長村裕佳子クリチーバ通信員】今年は日本ブラジル外交関係樹立120周年、パラナ州日本人入植百周年、パラナ州兵庫県姉妹州県提携45周年の三つの節目を迎えることから、パラナ州政府、在クリチーバ日本国総領事館、パラナ州記念事業実行委員会の合同で12日、クリチーバの州政庁で記念事業の開幕式が行われた。式典にはベット・リッシャ州知事、梅田邦夫駐ブラジル日本国大使をはじめ、約250人が出席した。

茶道に参加する来場者

茶道に参加する来場者

 実行委員会の山脇ジョルジ委員長は、「百周年を迎えたパラナの日本移民は苦労を乗り越え、今日各分野で活躍している。共にこの記念の年を祝いたい」とあいさつ。
 梅田大使は「東日本大震災でパラナから多大な支援を受けた事に日本政府、国民を代表して感謝したい。パラナ州で日本移民が活躍し、州の発展に貢献している事は日本国民にとって大きな名誉」と伝えたほか、兵庫県とパラナ州の姉妹州県関係について「日本が外国と図っている交流の中でも最も強固な関係である」と断言した。
 ベット・リッシャ州知事は、日本移民の多いロンドリーナ市で育った経緯を振り返りながら「パラナ州では全ての分野において日本の文化が浸透している」と称え、「日本の教育である献身や辛抱強さという教えは州の発展を目指す上での理念でもある」と示した。
 西森ルイス、高山ヒデカズ両下議も挨拶を行い、更なる日伯関係強化への尽力を誓った。在クリチーバ総領事館の池田敏雄総領事も出席した。
 式典では実行委員会により日伯外交関係、パラナ州日本人入植、姉妹州県関係の歴史についてスライドの発表も行われた。式典後は、クリチーバ文協若葉太鼓の演奏が行われたほか、同日に合わせてサンパウロから駆け付けた茶道裏千家によって来場者にお茶が振る舞われた。
 前日の11日夜には、クリチーバ文協で梅田大使夫妻の歓迎夕食会が開催され、日系団体代表者ら約160人が参加した。また、同大使はクリチーバ訪問に合わせてパラナ日伯商工会議所や日本語学校も訪れ、現地の企業家や日本語教師らと意見交換を図った。