文協選挙=60年の歴史初の女性会長か=体制派が呉屋氏を候補に決定=上原氏に次ぎ沖縄系2人目

 「文協会長候補に指名され、とても光栄に感じている。まさか会長候補に、こんなに早く女性が選ばれるとは思わなかった」。呉屋春美(60、沖縄県八重瀬町)第1副会長は24日午後、本紙ポ語版の取材にそう応えた。ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)は17日に理事、評議員らを集め、新会長候補者に関する会議を行ない、副会長の山下譲二、栢野定雄、理事の桂川富夫、高等審議幹事の大原毅ら各氏が出席。木多会長の後任となる第12代会長候補に呉屋春美氏を決定し、本人からの承諾が24日にあった。

 呉屋氏は「女性初の会長候補はとても大変な戦いだが、今はもっと心理的に準備ができている。今年は文協創立60周年、外交樹立120周年、在聖総領事館100周年の重要な年だけに、責任は重大」と語りつつも、「唯一の心配は夫を説得すること。会長になれば、もっと行事参加が増えるので、家庭にも影響するから」と女性らしい気遣いをみせた。
 木多体制は3期6年続き、定款上これ以上は不可能。木多会長は山下副会長を後任に押していたが、今回も固辞された。他に現評議員会長の原田清氏、評議員歴30年の下本八郎元サンパウロ州議なども候補に挙がっていた。
 呉屋氏に対し、木多会長は「会長職に必要な要素を持ち合わせている」と本紙ポ語版の取材にそのリーダーシップを評価した。
 まず28日の定期総会で評議員選挙が行なわれ、そこで体制派が過半数を維持すれば、事実上その時点で、呉屋氏に決まったも同然になる。
 手続き上、4月15日がシャッパ(候補者連記名簿)の締め切りなので、その時点で対抗シャッパがなければ、間違いなく60年の歴史で初めての女性新会長誕生だ。ただし、正式には4月25日の評議員会でシャッパが承認され、新体制が発足する。

【大耳小耳関連コラム】

 木多会長1期目となる09年の選挙は、小川彰夫氏を会長候補とする「チェンジ文協」を6票引き離し、体制側「統合と進歩」が54票を獲得、僅差で木多会長は当選した。11年は小川氏の「みんなの文協」(40票)で、木多会長の体制側(65票)が勝った。前回13年は対抗シャッパがなかった。それで、木多会長の6年間間の成果はいかに――。国士舘スポーツセンターのエコパーク化(500万レ)は? 援協跡地の日本文化スペース化は? まさか棚から牡丹餅のような大塚商会の1億円を使った建物改修だけってことは?!