文協選挙=呉屋氏「やりたいことある」=対抗シャッパなくば決定=山下氏は〃万年副会長〃

 【既報関連】ブラジル日本文化福祉協会(木多喜八郎会長)の役員改選を4月に控え、体制派が支持する候補者として、呉屋春美第一副会長を立てたことが明らかになった(今月25日付け)。呉屋氏が26日午後、木多会長、中島エドワルド事務局長と共に会見し、正式に出馬することを表明。山下譲二氏を第一副会長に据えることを条件に承諾したと明かした。

 木多会長は3期6年で定款上、退任せざるを得ず、12月から後任人事に着手した。同会長は、「筆頭候補の山下さんから、最後の最後まで承諾が得られなかった」とし、方針転換に迫られたようだ。
 今月17日に山下氏ら6人で会合を開き、呉屋氏に一本化することを決めた。24日に本人から承諾を得て、25日の理事会でも承認。正式に出馬を表明するに至った。
 「第一副会長が候補となるのは自然な流れ。下本(八郎)さんらも候補だったが高齢が障害。呉屋さんはまだ若く、10年以上役員として携わっている」と木多会長は話す。
 引き受けた理由について呉屋氏は、「ずっと副会長のままではいられないと感じていたし、文協のためにやりたいことがあるが、まだ話す時期ではない」と述べるに留まった。
 ただ、第一副会長に山下氏が決定済みで、呉屋氏は「本人の了解も得た。それが会長候補を引き受ける条件だった」と明かした。その他は未定で、今後協議する。
 28日の定期総会で評議員選挙が、4月25日の評議員会で役員改選が行なわれる。シャッパ提出期限は、4月1日から15日まで。対抗シャッパがなければ創立60年の歴史上、初の女性会長が誕生する。
 呉屋氏の略歴は以下の通り。
 【呉屋新城春美】1953年3月21日、沖縄県八重瀬町生まれ、帰化人。58年11月8日に着伯しパラナ州カンバラでコーヒー栽培、養鶏を営む。73年、バレットス工科大学土木工学部入学、77年卒業。
 86年からサンパウロ州税務局に勤務、13年定年退職。02~06年までABJICA初の女性会長を務め、沖縄県人会では05~10年まで理事だった。文協では03年から理事、09年から現職。