樹海

 「男所帯に蛆がわく」という言葉が、最近の小紙編集部(女性は常にいるのだが)を見渡すと腑に落ちる。お越しになった方はご存知のとおり長らくひどい有様だった。慣れてしまい気付かないでいたのだが、日本から来た人に「おお、すごいですね…」と絶句されることも。ところが最近、女性軍が一念発起して大整理を始めた。なんだか空気もキレイになり、雰囲気も明るくなった。大量に出てきた古本を編集部入り口で販売しているので、気軽に立ち寄ってほしい▼さて、こちらもいささか華やかさに欠ける文協の会長に、呉屋春美さんが推されている。背が高くスタイルもよく、おしゃれである。少々褒めすぎか。いや見栄えもトップの重要な条件だ。日ポ両語に堪能で、ルーツを重んじる沖縄の出身。100年祭では文協でも沖縄県人会でも重役を担った。経験は十分、存分の活躍を期待したいところ▼で、「永遠の副会長」山下譲二氏である。名前は二番目を譲ると書きながら、絶対に譲らない。鹿児島県人会で役員に土下座されても、会長の座には就かなかった。呉屋さんも山下さんの第一副会長を条件に受けたというから、二番手―いや右腕としての手腕は筋金入りなのだろう▼先日あった「文協文化祭り」。主催者発表で1500人と聞いて首をかしげた。数年前は2日間とはいえ、1万人を超していたイベントである。県連に文化イベントのお株を奪われてはいるものの、文化の名前を掲げているだけに奮起して欲しい。ともあれ初の女性会長誕生―今年創立60周年を迎えたばかりの新生文協の明るいニュースを喜びたい。少々先走りながら。(剛)