生長の家=イビウナ聖地で宝蔵神社大祭=練成道場60周年の節目に

 生長の家ブラジル伝道本部(寺前継雄理事長)による最大の年中行事「第59回宝蔵大祭」「イベロアメリカ・アンゴラ・全伯第31回流産児無縁霊供養塔供養祭」が12日にイビウナ聖地で行われ、全伯から大型バスや自家用車などで約1万2千人が集まった。この式典は中南米、ポルトガル語圏諸国にもインターネットで生中継され、信者がネット越しに参拝した。
 前々日から大講堂内では昨年亡くなった202万5954柱(ちゅう)の霊牌の名前が読み上げられ、濃霧に包まれた本殿前設置された3基の大型画面の前は、朝8時半には信者でいっぱいになった。
 厳かな雰囲気の中、宮浦ラ米強化総長を先頭に約20人が拝殿に入り大祭が開始された。全員で「聖歌」を斉唱、宇宙浄化の祈りが捧げられたのち本殿の扉が開けられた。宮浦総長により祈願文と祭文が読み上げられ、全員で聖経「甘露の法雨」を読経。参拝者が次々と境内の香炉で焼香し、57人の講師を含む昨年亡くなった信者や縁者の招霊が主神に奏上された。御霊鎮めの儀の後に本殿の扉が再び閉じられ、閉会となった。
 午後からは流産児無縁霊供養塔供養祭が行われ、同様に全員で読経した。供養塔のモニュメント前は参拝者のお供えのお菓子で埋まっていた。
 サンパウロ市カンポリンポから参拝に来た小松光昭さん(51、二世)は、「素晴らしい式典に参加出来て良かった」と述べた。亡妻の母親が生長の家の信者で、供養のために毎年参加しているという。サンパウロ市から北に230キロの地点にあるカーザ・ブランカ市から友人10人と来た51歳の非日系女性は、「自分が今存在しているのは先祖がいるから。先祖に感謝することが出来るのが一番嬉しい」と日本式の信心を語った。
 ブラジル人信者が過半数を占める同教団。「日本から離れたときに先祖代々の信仰からも切り離されたので、日本移民が心のよりどころとして新しい信仰に切り替え易かったことと、ブラジル人の寛容な気質で受け入れられたことが、ここで現地の人に広がった一番の要因」だと、前理事で伝道本部顧問の門脇和男氏(81、山形)は語る。
 聖地にある南米練成道場は、55年3月に谷口雅春総裁(当時)直筆の「実相」と「神は愛」の額が祭壇に設けられ、竣工式典が行われて今年で60周年を迎えた。「信者による寄附や色んな形での支援があって今のここがある」と門脇氏は説明する。
 同氏も35歳で生長の家の講師となり、以来ずっと貢献してきた。「恩返しではなく、自分が救われたから同じように苦しむ人を救いたい。その一心です」と語る。
 現在生長の家で講師を務める人のほとんどが、練成道場で青年期から教えを受けてきたという。今後もこの聖地から若者が指導者として育成され、ブラジル伝道の発展に貢献していくのだろう。