商議所昼食会=上田善久パ国大使が講演=パ国発展の可能性説く

 ブラジル日本商工会議所(村田俊典会頭)の定例昼食会が10日、サンパウロ市内のチボリホテルで行われ、会員ら150人が参加した。
 パラグアイ共和国駐箚特命全権大使の上田善久氏が、「パラグアイの国情と好転する投資環境」をテーマに講演した。
 上田氏はパラグアイの投資対象国としての魅力を語り、そのメリットとして「日系社会の存在、南米における立地の良さ、安定したマクロ経済、安価で豊富な電力、若年層が豊富な人口、輸出における比較優位」を挙げた。
 パラグアイには現在、約5800人の日本・日系人が住む。彼らは日本人の入植以来、農業、医療や商業分野への貢献により「高い評価と信頼をうけるバイカルチャー(二つの社会・文化に適応しているの意)な存在」と見られており、彼らが築いた土台が進出企業に優位に働く可能性があるという。
 また為替が非常に安定しておりインフレ率が低く、外貨準備高も伸ばしているという安定したマクロ経済を強調した。加えてイタイプーダム、ヤシレタダムでの大規模な水力発電によるロイヤリティー収入の存在が、財政の健全化に作用していると説明した。
 今後の課題は、現状は未発達な道路インフラの整備にあるという。ブラジルを含め、近隣諸国の巨大な消費者市場にアクセスできる立地の良さを利用できれば、さらなる発展の可能性があるとした。
 現在13社の日系企業が進出中であるが、未進出企業に対し、「一度パラグアイに赴いて、現状を確かめてほしい。安価でありながら勤勉な労働力も存在し、未来が期待できる国である」と語った。