CG沖縄県人会=初の記念誌ついに完成=百年の歴史を日ポ両語で

 昨年、沖縄県民入植百周年を迎えた南麻州カンポ・グランデ市の沖縄県人会(志良堂ニウトン会長)が、このほど記念誌『希望の大地』(617頁、B5版、Life出版社)を刊行した。
 2007年、同県人会創立85周年を迎えた折に生まれた構想で、08年中旬から編集委員会による資料集めが始まった。初の記念誌制作とあって調査は難航したが、8年以上の歳月を経て完成に至った。
 07年当時、会長を務めていた玉城ジョルジさんは、「先輩の移民が亡くなっていて、昔のことを知っている人が少なくて大変だった。歴史を残すにはとてもよい本だと思う」と話した。
 同地における県民移民の軌跡や移民が創設した各植民地、カンポ・グランデ沖縄県人会の歴史と活動などを日ポ両語で紹介する。祖先崇拝や沖縄料理など伝統文化の解説や「ウルマ野球チーム」「世界のウチナンチュ大会」など関連行事・団体、沖縄県人ボリビア移民の歴史にも触れる。
 同県人会では昨年8月、母県から高良倉吉副知事はじめ約80人の慶祝団を迎えて盛大に記念事業を行った。移民が降り立った元ノロエステ鉄道駅近くの公園には、本の題名と同じ文言が刻まれた石碑が設置されている。
 発行部数は1千。まだ150冊ほど残っている。入手希望者は同県人会(67・3383・3954)まで。