インディオの問題を実感=シングー公園のクイクロ族

 トレンディーツーリズモ(関根いつ子社長)が先月25日、「インディオツアー」を実施し、駐在員家族ら31人が参加した。
 マット・グロッソ州にある最初のインディオ保護区であるシングー国立公園に普段は居住する「クイクロ族」のうち50人ほどが毎年3月下旬から5月中旬まで、サンパウロ州ジュクイチーバの施設に資金稼ぎに芸能を披露しにきているのを見に行くもの。同部族はこの間の民芸品の販売や、観光客の入場料などで1年間の生活費を稼ぐという。
 身体に塗料で豹のような模様を施し「歓迎」や「感謝」を意味する伝統的な踊りを見せ、レスリングのような格闘技「ウカウカ」をして会場を盛り上げ、ツアー客も参加して大盛況となった。
 同族酋長ジャカーロ氏はポ語で挨拶し、インディオが抱える悩みについて「シングー国立公園には15部族が居住しているが、年々開発が進んでおり、我々の居住地の僅か30キロ先にまで迫っている」と語った。「教育の為に町へ出る若者も増え、部族の人数も減少してきている」とし、その存続さえも困難になってきている現状を話した。
 関根社長は「ツアーを通してブラジルについて学んで欲しい。歴史や問題点などを自分の目で見て欲しい」と語る。ツアーに参加した深澤要さん(61、千葉)は「インディオの生活を垣間見ることができた。彼らを取り巻く状況など大変勉強になった」と話した。今後のツアー情報などは同社Facebook(https://www.facebook.com/trendyturismo)まで。