プロケーブル=中南米で事業拡大目指す=フジクラと合弁会社設立=OPGWを現地生産へ

 ブラジルの送電・通信工事会社「ProCable Energia e Telecomunicacoes S/A」(本社=サンパウロ州ジアデーマ、西村フミタカ社長、以下「プロケーブル」)が電線製造会社「Fujikura Cabos para Energia e Telecomunicacoes Ltda.」(生年重雄社長、以下「フジクラカーボス」)と提携し、4月より中南米市場を対象とした事業拡大に乗り出した。OPGW(光ファイバー複合架空地線)市場で高い占有率を誇り、安全で信頼性のある敷設技術で国内トップクラスのプロケーブル。西村社長は「敷設技術において、ブラジルだけではなく南米リーダーを目指す」と意気込んでいる。

 フジクラカーボスは、プロケーブルと日本の電線大手フジクラ(本社=東京都江東区、長浜洋一取締役社長)との合弁会社。両社の提携関係は古く、15年以上になる。フジクラがブラジル市場に参入するにあたり、プロケーブルが販売・敷設工事までを担ってきた。これまで輸入したOPGWは約2万5千キロメートルに上る。

 中南米の需要拡大を睨み、この度両社で合弁会社フジクラカーボスを設立。4月に落成した南大河州モンテネグロ市の工場では、すでにOPGWやACSR(鋼心アルミより線)等の電線の生産が始まった。これまで輸入に依存していた電線を現地生産品に切り替えることで、20~30%のコスト削減が実現するという。
 工場建設地にモンテネグロが選定されたのは、プロケーブルと同州電力公社(CEEE/A Companhia Estadual de Energia Elétrica)との間に良好な提携関係があるため。西村社長は「理想的な土地」と、場所の選定に自信を見せる。
 工場における当面の従業員数は約50人だが、将来的には300人まで引き上げる見込み。敷地面積は14万4千平方米、延べ床面積は10万8百平方米。投資額は3千万レアル。16年までに更に1100万レを投資予定という。

プロケーブルが製造する商品

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安全・信頼性のある敷設技術

 プロケーブルはフジクラと共に中南米諸国における存在感アップを目指し、日本製OPGWを輸入してきました。
 OPGWは、基本的な性能として避雷器の役割を果たし、高圧送電線を雷から保護し、ショート防止にも役立ちます。金属製の部分は、きわめて強い電流に耐えることができます。
 私たちは様々な種類の電線を製造することで電気網の安定性を高め、急な事故や修理の必要、停電や経済的損失の回避を目指しています。
 また、プロケーブルは業界の革新的存在でもあります。ブラジルに架空地線の敷設技術を導入し、6千キロもの敷設工事を行いました。またこの業界においてあらゆる種類のエンジニアサービスを提供しています。エグゼクティブ・プロジェクトから現地における事前調査、敷設工事までを担います。
 こうした架空地線の設置から、地中送電線事業のような高度かつ複雑な技術サービスまで手がけています。事業を多角的に展開しつつも、技術チームが新しいシステムの開発に献身的に携わっています。
 現在、わが社の専門家はPLC(電力線搬送通信)、TTH(fiber to the home/光ファイバーによる家庭向けのデータ通信サービス)、ケーブルの故障検知器の市場に注力しています。
 そして安全・信頼性のある敷設技術において、ブラジルだけではなく南米のリーダーを目指します。今後は住居用の低コストの通信サービス事業にも参入するつもりです。