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在聖総領事館=総領事に中前公使が就任=ジャパンハウスに意欲

 在聖総領事館の新総領事に9日、在ブラジル日本国大使館の公使だった中前隆博氏(54、広島)が就任した。挨拶のため本紙を訪れ、就任後最大の事業となるジャパンハウス創設について「文化広報だけでなく、国益に照らしながら情報を発信したい。日本人のものづくりに対する心意気を見せたい」との意気込みを語った。
 ロンドン、ロス、サンパウロ―。創設地のひとつに上げられたこともあり、ジャパンハウスに対する日系社会の期待は厚い。中前総領事は「統一ブランドは必要だが、サンパウロはサンパウロのジャパンハウスを作らないといけない。場所を貸すのは外務省だが、実際に事業を行うのは企業の皆さん。オール・ジャパンで進めていく」との考えを述べた。
 今月10日付サ紙で「(入札)条件として、4年後に借り上げた物件を現状修復して戻すことになっている」と報道されたことから「4年で打ち切りになるのでは」との噂が流れているが、この件ついては「4年ぽっきりを前提とする議論ではない。外交には継続性が必要。将来的には恒久的施設にするぐらいのつもり」と強調した。
 来年のリオ五輪を控え、「東京に引き継ぐ五輪なので特別な意味合いがある。総理大臣に来てもらえると大きな弾みになる」との期待を示したほか、ジウマ大統領の訪日に関して「ブラジリアで色々調整してきたところ。できるだけ早いタイミングで話を進められるよう一生懸命やっている」と述べた。
 スペイン語が専門で、中南米諸国のほかにパリ、イラク駐在、米国ニューヨーク国連代表部公使などを経て、13年9月にブラジル初赴任となる大使館公使に就任。今回のブラジル内での異動に「修行が足りんから、もっと勉強して来いということでしょう」と一笑した。
 最後にコロニアへのメッセージとし、「外交120周年に加え、総領事館百周年も迎えるので、非常に高揚した気持ちでサンパウロに来た。節目となる大事な年に総領事を拝命し光栄。日本が素晴らしい国であると示すためにも、日系の皆さんとの連携協力が必要です。どうぞご助力下さい」と話した。

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