JICA日系社会次世代育成研修=初めて大学生9人が訪日=安倍首相の肝いりで開始

 JICAが海外日系人協会に業務委託して実施する『大学生招へいプログラム』に参加するブラジルの大学生9人が6月29日、24日間の研修のために日本へ旅立った。同制度は昨年の安倍首相が訪日時に表明した『日系社会次世代育成研修』参加者倍増をきっかけに設立されたもので、大学生を対象として行うのは今回が初めて。
 研修生は横浜国立大学や東海大学の講義でプレゼンテーションや日本人学生とのディスカッション、研修旅行等を通して、日本への理解を深める。
 出発直前となる29日にはサンパウロ市リベルダーデ区ニッケイパラセホテルで、中前隆博在聖総領事、JICAブラジル事務所の遠藤浩昭次長が出席し、会見が行われた。
 中前総領事はあいさつで「日本で得る経験をいかにブラジルのために活かせるかを考え、また日本がどんな問題を抱えており、それにどう対処しているかに注目してほしい」と訴えた。
 研修生の一人で、将来は日本からブラジルへ進出する企業をサポートする弁護士になりたいという佐藤学さん(19、四世)に意気込みを聞くと、「同世代の日本の大学生の考えや生活を知りたい。多くの人と知り合えれば」と期待を膨らませた。参加する研修生は次の通り(順不同、敬称)。佐藤学、谷平明、溝口理愛、福岡由美、植原優吾、井上暁美、鐙野香織、川原明、滝浪仁。