先週から大統領や周辺の言動に妙な雰囲気が…

今も隠然たる影響力を誇るルーラ前大統領(Foto: Ricardo Stuckert/Instituto Lula)

今も隠然たる影響力を誇るルーラ前大統領(Foto: Ricardo Stuckert/Instituto Lula)

 先週からルーラやジウマ大統領及び周辺の言動がちょっとおかしい。先週月曜日にルーラは異例の労働者党批判をし、自分の人気を移し替える形で大統領にしたジウマまで指弾した。不人気のPTとジウマを批判することで距離を置いているように見せ、ルーラは大統領選再出馬の準備を進めている―というのが評論家の見方だ▼加えてカンピーナス在住でジウマに投票したと公言するマウリシオ・トマスさんは、ルーラがラヴァ・ジャット(LJ)作戦で逮捕された際、勾留されない様に予防的に人身保護令を申請する手続きをしたが駄目だった―との報道が先週金曜日に流れた▼ジウマは今週月曜日、ペトロブラス疑惑の中心人物リカルド・ペッソアUTC社長が司法取引に応じて供述した「大統領選の時に賄賂を選挙資金として彼女の陣営に贈った」との内容が報道されたのを受け、「対立候補にも同じ会社からほぼ同額が渡っているのに、私のことばかり選んで供述内容がマスコミに漏れている。政治的な意図があるとしか思えない。(司法取引の)供述者を尊重しない」と強い口調で非難した▼民主的に制定された司法取引法を、大統領が尊重しないと明言するのだから異常だ。しかも彼女は「軍政下で拷問されて密告を強制されたが負けなかった」という例まで挙げ、今が〃司法独裁〃であるかのような喩えまでした▼言動がおかしくなった発端を考えると先月19日のLJ作戦14弾の頃にみえる。そういえば、オデブレヒト社長らを逮捕した今作戦名は「Erga Omnes」(ラテン語「等しく万人に」)。古い教会の入り口に時々刻んである言葉だ。今作戦に特別扱いはない、ようだ。(深)