ブラジル日系文学会=『ガウショ物語』を刊行=非日系詩人の短歌集も

書籍を手に持つ中田さん、柴門さん

書籍を手に持つ中田さん、柴門さん

 ブラジル日系文学会(武本憲二会長)からブラジル文学翻訳選集第2巻『ガウショ物語』(215頁)および、詩人ライムンド・ガデーリャ氏による短歌集『AQUI E ALEM DO HORIZONTE』(Escrituras出版、120頁、2015年)の日語版が発行された。
 『ガウショ物語』は作家シモンエス・ロッペス・ネット(1865~1916年)による南大河州の民話を元にした小説で、同会内「サークルアイリス」の7人によって3年間に渡って翻訳された。本紙5面にも3月より5カ月間連載し、好評を集めていた。
 監修を務めた柴門明子さん(京都、74)とメンバーの中田みちよさん(青森、74)は、「方言など一般的でない表現が多く、翻訳には大変苦労しましたが、何とか出版を迎えることが出来ました。日本語の表現にも議論を重ね、読み応えのある自信作です」と胸を張った。一冊35レ。
 短歌集を出版したガデーリャ氏は日本への留学経験があり、日伯文化連盟の編集長を務めた人物。1991年に1冊目の短歌集『Um estreito chamado horizonte』 (Escrituras出版)を発表している。新刊『AQUI…』では、写真家でもある同氏が世界中を訪れて撮影した写真が短歌に添えられた。日語訳は中田さんが担当した。一冊34・90レ。
 いずれもフォノマギ、高野など日系書店で販売中。問い合わせは同会(11・3422・3918)まで。