広がる南伯のニッポン

 南伯ポルトアレグレ市の日本祭りが年々大きくなってきている(本日付7面)。コラム子が訪れた初回は約1万7千人。それが4回目の今年は7万人だというから約4倍になっている。ブラジル最大の日系イベント『県連・日本祭り』が今年15万人だから、かなりの規模に成長したといえる。もちろん、同市開催のイベントでは最大級だ▼援協所有の不動産で、日本語学校を運営するために設立された文協。ささいなことから両者の関係がこじれコロニアを二分するほどの問題となった。これを解決すべく始まったわけだが、婦人会、青年会も加わり、そんな発端を忘れさせるほどの盛り上がりだ。小さなコロニアだけに会員が複数団体に関わっている。こじれればややこしいが、結束すれば強い▼予算を組まず、関係業者への支払いなども終了後に清算する形でやっている。多くのボランティアがはせ参じ、会場となる軍警学校は無料提供。皆の協力があって成り立っている。来場者増を受け、来年は会場変更も検討されている。ルアネー法の申請はじめ、運営をプロの業者に任せる意向も強いという▼地元政府の熱意も大きい。初回にあわせて「日本移民の日」を制定するほど市が協力しており、今月の商議所昼食会ではサルトリ同州知事が日本企業誘致を呼びかけた(本日付け6面)。おりしも来年は、南伯日本移民入植60周年、同祭は5回を迎える。市は北陸新幹線で活気づく金沢市、州は滋賀県と姉妹提携を結ぶ。今年3月には、有志が「金沢友の会」を発ち上げている。規模拡大とともに、経済、文化交流も強まればいい。(剛)