今回も日系選手が大健闘=世界マスターズ陸上大会

 第21回世界マスターズ陸上競技大会が8月4日から16日まで、フランスのリヨンで開催され、ブラジルからは日系選手10人あまりを含む115人が参加し、多数のメダルを獲得する活躍をした。世界116カ国から8千人もの選手が参加した。2年に一度持ち回りで開催され、35歳から5歳きざみでクラス分けされている。
 中でも〃鉄人〃の異名を持つ清水義之さん(87、広島県)は85~89歳の部で100、200、400メートル、三段跳びの4種目で金メダル、幅跳びで銀メダルという快挙となった。
 サンパウロ市のクリニカス病院横の公園で週3回、自己流で2時間ずつ練習をする清水さん。「100メートルは何秒ですか?」と尋ねると、「去年までは15秒台だったが、今年は16秒台になってしまった」と残念そうに回答した。
 来社した松島巧さん(83、岡山県)は「80歳台で15秒台という成績は、もし20歳台ならボルト選手並に匹敵するという比較表があります」と解説を加えた。なんと清水さんの成績は、「人類史上最速のスプリンター」と呼ばれるジャマイカの短距離走者ウサイン・ボルト並だと言う。
 松島さんも80~84歳クラスで槍投げ銅、円盤投げ銅を獲得した。「2年前は金を4つ取ったが、〃若い〃選手との年の差4つは厳しい」と述べた。同部門は80歳から84歳までが参加するので、83歳の松島さんは80歳の〃若い選手〃と競うので、メダル獲得が難しくなるという。
 その点、90歳だった宇佐見守さん(90、北海道)は200メートルと槍投げで金、100メートルで銀、400メートルと円盤投げで銅と、一人で5つもメダルをさらった。
 イビラプエラ公園で週1回、4時間ほど自己流で練習。「健康のために体を動かしている。大会で勝つためじゃない」といい、今回メダルを5つ獲得した主因を「年を取ったら、競争相手が少なくなるんだよ」と笑って謙遜した。