コロニアが日系少将誕生祝う=海軍和田典明さん囲み夕食会

 【既報関連】日系初の海軍少将となった和田典明さん(55、三世)の昇進を祝うため、サンパウロ市ニッケイパラセホテルで8月27日夜、祝賀夕食会が行なわれた。ルーツのある鹿児島、福岡の両県人会、リベルダーデ文化福祉協会(ACAL)共催。
 冒頭に平崎靖之さんが略歴を読み上げ、下本八郎元サンパウロ州議が祝辞を送り乾杯。サンパウロ州リンス生まれの母スマコさん(81、福岡系二世)や関係者約40人が日系少将の誕生を祝った。
 鹿児島生まれの父タカシさん(故人)は元帝国海軍中尉。和田少将は「父は時間に厳しかった。家族旅行でも時間厳守だったほど」と幼少期を振り返る。「コロニアと深い関わりのなかった私にとって、今日の祝福は予想外の喜び」と笑顔を見せた。
 「後輩にも優秀な日系軍人がおり、私が初の少将となったのは偶然だ」と謙遜しながら、「『働け。信じろ』という父の教えを突き通すだけ」と今後の活躍を誓った。
 ブラジリアの大使館からは山内徹防衛駐在武官が訪れ、中前隆博在聖総領事も州外出張から戻り午後10時ごろに合流。ともに昇進を祝った。

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 日系人初の海軍少将となった和田典明さんの母スマコさんは、「父の厳しい教えを守る良い子だった」と回顧する。長女(57)は大学講師だが、長男の典明さん始め次男(53)は海軍、三男(51)も空軍に入った軍人一家だ。元帝国海軍中尉の父タカシさんは7年前、82歳で他界。亡き父とは国は違えど、「国を守る」という共通の想いを受け継いでまい進する家族だ。