希望胸に17人が日本へ=月末出発の国費留学生を歓送

 日本政府(文部科学省)による国費留学生17人が9月末から訪日するのを前に、8月25日午後、在聖総領事館で歓送会が行なわれた。日本語・日本文化研究留学生(日研生)12人、学校教育に関する研究を行う留学生(教研生)4人、大学推薦による研究留学生1人が選ばれた。
 中前隆博総領事は、「日語教育などの専門分野学習に加え、日本人の長所を知って帰ってきて。各国から集う専門家とも親交を持ってほしい」との言葉を送った。文科省国費留学生同窓会(ABMON)の山根英太郎名誉会長やOBも激励に訪れた。
 日研生の湯原ゆりさん(26、三世)は「日本の小説が大好き。もっとスムーズに読めるように語学勉強に励みたい」と意気込んだ。教研生のヒルトン・ロドリゲスさん(22)は琴を10年間習っているという大の親日家で、私立サンルーカス高校に勤務する。長崎大学に留学するに当たり、「日本の教育制度を学びたい。どんな問題をどう解決しているのか知りたい」と語った。
 当地の要請を受け日研生の内、新たに日系人推薦枠が2つ設けられた。日系企業で研修中の北林けい子さん(20、三世)は、「将来、日伯をつなぐような職場で働きたい。ビジネス面のコミュニケーション能力を身につけたい」。カンピーナス州立大工学部の山本栄一さん(20、三世)は「日伯では計算式の使い方に違いがある。両国の差を見つけ、良い部分を持ち帰りたい」と意欲的に語った。
 17人の留学生は今月24日から各自訪日し、1年から1年半の間、日本で研鑽を積む。4月から訪日している8人を含め、今年度は計25人が当地から飛び立った。昨年は29人だった。