目良浩一氏の講演を聞いて=サンパウロ 駒形秀雄

目良浩一氏

目良浩一氏は、非営利法人「日本再生研究会」理事長ならびに「歴史の真実を求める世界連合会」の発起人で代表である。9月13日、サンパウロ市内で行われた目良浩一氏講演会では、日系非日系を問わず多くの人が熱心に耳を傾けた。

 『太平洋戦争は米国が仕掛けたものだ』というご自分の説を立証されるため、良くこれだけの資料を、しかも旧敵国の米国で集められたものだと、大いに感心致しました。
 更にこれを一般にも知らせようとする先生の熱意また、ニッケイ新聞社のご尽力に大いに敬意を表します。
 12月8日の真珠湾攻撃を私達日本人は「良くやった、大成功」と喜 び、今でもその映像を見ると『大日本国万歳」と叫びたくなります。
 しかしこれがアメリカの仕掛けた罠に日本が嵌まったもので、こ の開戦をルーズベルト一派は「大成功」とほくそ笑んでいたとすると、何ともやり切れない気持ちになります。どうも、当時の日本人は純情で、彼らの方が2枚も3枚も上手だったと思わされます。
 さて、現代です。アメリカの利益に反抗したイラクはクエートを併合したが、結局アメリカに侵攻され、国をめちゃくちゃにされました。一方、イランは欧米の(経済封鎖)を受けて大いに苦しみましたが、何とかこれを耐え凌ぎ、欧米とギリギリ妥協し、現在、アラブの有力国の地位を更に固めています。
 80年も前に枢軸国側から経済封鎖を受け、満州を返せ、といわれて切れてしまった当時の日本の指導部の判断が思い出さされます。
 戦後70年も経った今、本当はこうだったといったところで、失った損害は返って来ません。しかし、この「骨身にしみた教訓」 を将来に生かして、これからの日本の進路を誤らないようにしなければなりません。 (中国が盛んに尖閣諸 島周辺を狙っていた頃、あるブラジルの軍人が私に言いました「日本が領海侵犯する中国に目にもの見せたいなら、良い考えがある。日本は尖 閣諸島に小さな守備隊を置き、これを中国に攻撃させるのだ。守備隊が撃滅されれば、日本国中は憤激して『やりかえせ』となる。こうして日本ー中国開戦すればよい」でした。欧米人の考え方は単純ではないようですね。
 この事実、教訓を周知させるためわざわざブラジルまでおいでくださった目良先生、またこの講演を企画実行してくださったニッケイ新聞各位の御力は誠に尊敬に値します。本当に有り難う御座いました。