【ブラジル富山県人会創立55周年】富山県南米親善訪問団=文化、薬、環境を3本柱に=更なる人的交流を再確認=USPへの奨学金も継続

 ブラジル富山県人会(市川利雄会長)の『創立55周年式典』(後日本紙7面掲載)に駆けつけた杉本正団長以下訪問団一行は、『富山県とサンパウロ州との友好提携30周年事業』『サンパウロ大学日本語・日本文学専攻学生に対する奨学金制度認定証交付式』に出席。州県のこれまでの友好関係を確認し、さらなる強化へ向けた一歩を踏み出した。

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 一行はサンパウロ州社会開発局を訪問し、州政府関係者等100人が見守る中、友好提携30周年事業に臨んだ。州県の代表として、フロリアーノ・ペザーロ同局長と、荒木勝公営企業管理者が友好関係の推進を確認する書面を交わした。
 野村アウレリオサンパウロ市議を交えた懇談会も行われ、荒木氏は県費留学等これまでの交流の歴史を確認し、さらに今後「日本文化、薬用植物、環境の3分野で教官や研究員の来日を通した人的交流」を提案した。
 一方、ペザーロ局長は「富山型デイサービス」という富山県独自の福祉サービスへ関心を示した。
 また、友好提携の一環として行われてきたサンパウロ大学(USP)における同県からの奨学金制度を受給する5人の学生たちへ認定状交付のため、同キャンパスを訪れた。学生たちは日本語で制度への感謝と自身の研究内容を発表した。
 同制度は95年より日系、非日系に関わらず、日本文学・文化を研究する学生を対象に、これまで約100人が受給してきた。
 さらにイビラプエラ公園の日本人移民先没者慰霊碑を参拝。県連・本橋幹久会長からの歴史的な説明を受けた上で、黙祷を捧げた。
 本紙の取材に対して杉本団長は、「富山県人が誠実、勤勉、感謝の気持ちを持って、ブラジル社会に貢献してきたことを実感した。我々も小さなことかもしれないが、県が助成する奨学金・留学の制度も継続させ、交流を進めていかなければならない」と決意を新たにした。

富山県・サンパウロ州の相互交流史

 サンパウロ州と富山県との友好提携は1985年7月18日に当時の中沖豊、アンドレー・モントロ両知事によって締結。技術研修生やサッカー指導者の派遣など、数多くの交流事業が行われてきた。
 更に都市間でも74年には高岡市とミランドポリス市が姉妹都市関係を締結。ジュニア親善大使の交換ホームステイやミランドポリスの高岡日本語学校への教師の派遣を実施。
 79年には富山市とモジ・ダス・クルーゼス市が姉妹都市。市長相互の訪問や富山市から衣類や野球道具の寄贈も行われている。

“友好の架け橋”に期待=富山県知事 石井隆一

石井隆一知事

石井隆一知事

 ブラジル富山県人会は1960年の発足以来、県人会相互の親睦活動や生活の安定向上の取り組みを積極的に進め、経済社会の発展に大きく貢献され、富山県とサンパウロ州との交流・協力事業に多大な力添えを頂いております。
 本県と南米諸国は、県人会の皆様やサンパウロ州政府と友好提携をもとに交流・協力を積み重ねており、これまで県費留学生・海外技術研修員の受入れや、サンパウロ第3アリアンサ地区への日本語教師派遣、サンパウロ大学学生への奨学金の交付など、様々な事業を実施しております。
 富山県人の皆様のおかげで、私たちにとってブラジルは「遠くて近い国」であると感じることができます。
 市川会長はじめ、会員の皆様方には、どうか、これからも富山県とブラジルを結ぶ友好の架け橋として、ご尽力いただきますようお願い申し上げます。

心共の支援に感謝=ブラジル富山県人会会長 市川利雄

市川利雄会長

市川利雄会長

 富山県人会創立55周年、サンパウロ州・富山県の友好提携30周年を記念し、母県のご一行様をお迎えすることによって私たちを結ぶ友情がますます強化され、将来の関係のあり方について意見を交わすことができますことに、心から感謝する次第です。
 さらに第3アリアンサ(富山村)に対する物心共の支援、日本語教師の派遣などに感謝申し上げます。55年にわたり240人以上の留学生を受け入れて頂いたことに対し、ブラジルに在住する県出身の家族に代わって感謝申し上げます。
 富山県南米訪問団の皆さまには、私たちとの交流を含め、ブラジルでの滞在が充実したものであり、そしてこの国の思い出をできるだけ多く持っていって下さることを願っています。