客商売は信用が命

 「まってたよ」。修理が終わった携帯電話を受け取りに行くと、店員はそう調子良く応えた。最後の仕上げだろうか、頼んでもいない保護シールが画面に貼ってあった。支払いの段になり、最初の見積もりより20レアル多く請求された。さっきのシール代だと言う。
 ムカッときて「追加料金の事など何も言わずに勝手にやったんじゃないか。払わないよ」と言おうと思ったが、釈然としないままにしぶしぶ払った。この国の至る所で発生する小さな「ぼったくり」だ。本来なら、その都度、怒って拒否する態度に出るのが、この国の流儀かもしれない。
 でも日本人的には毎回「それは料金に含まれているの?」「それいくら? 勝手にやらないで」と店員と辟易とする確認のやりとりをして予防線を張るしかない。〃文化の違い〃と理解しつつも、「二度とこの店に修理は頼まない」と心に誓った。(規)