秋田県人会=「ふるさとを愛する気持ち同じ」=創立55周年2百人で祝う=佐竹知事、渋谷議長ら迎え

 ブラジル秋田県人会(川合昭会長)は25日、「創立55周年式典」をサンパウロ市内の三重県人会で開催した。母県から佐竹敬久知事、渋谷正敏県議会議長ら27人の訪問団を迎え、約200人が参加した。記念品の交換などが行われ、祝賀会ではカーニバル隊の参加や訪問団によるドンパン節も。節目の年を祝うと共に、両者の絆がさらに深まる式典となった。

式典後に全員で記念撮影

式典後に全員で記念撮影

 同会は1960年、会員45人で発足した。同県人会館は近年、建物への落書きや壁の老朽化が進んだことから、母県から2200万円の支援を受けこのたび改修を終え、24日にはテープカットも行った。
 母県から佐竹知事、渋谷県議会議長および議員、秋田市副市長、湯沢市の高久浩二ふるさと応援大使、地酒「高清水」で有名な秋田酒類の平川順一社長、秋田テレビから佐藤真弓制作部専任部長らが来伯。
 式典では日本からの訪問団27人および、中前隆博在聖総領事、菊地義治援協会長、林まどか文協副会長、本橋幹久県連会長、羽藤ジョージ州議らが出席した。川合会長はあいさつで、「仲良く楽しくが県人会のモットー。さらに前進しよう」と呼びかけ、改修への支援に対して謝意を述べた。
 佐竹知事は「地理的には離れているが、同じ秋田県人。古里を愛し、発展を願う気持ちに隔たりはない」と語った。秋田県と県人会が互いに記念品を贈呈した後、佐竹県知事から日系3団体へ寄付金が送られ、本橋県連会長が代表謝辞を述べた。
 県費研修生の代表スピーチで3年前に留学したデニーゼ・ニシオカさん(29、三世)は、「生まれて初めて見た雪に大変感動した。最も印象に残っているのは秋田の人たちのおもてなし」と涙ぐみながら話した。
 ケーキカット、鏡割りの後、祝賀会でカーニバル隊が現れると、訪問団員も県人会員も踊りに参加。続くドンパン節では、訪問団が汗だくになりながら陽気に踊りを披露した。記念撮影の後、「ふるさと」を皆で合唱して式典は幕を閉じた。
 桜庭照子さん(84)は「古里の人たちの方言が聞けて、本当になつかしい」と感激した様子で話した。大間知康夫さん(28、三世)は、「県人会の結びつきも弱くなっているが、慶祝団一行が来てくれたことで絆をさらに強くする。こういう交流は本当に大切」と笑顔で語った。

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 会館リフォームに2200万もの支援があった秋田県人会。この大型支援の理由を佐竹知事に聞いたところ、「言わば県人会は県の出先機関で市役所や町役場と同じ。支援は当然」とか。会員数が下から10番目という秋田県人会、今後の活動で県の思いにしっかり応えていってほしい。