大耳小耳

 記者の手元に涙をこらえながら歌う男性の写真がある。両殿下が28日に訪問されたサンタクルス病院。お見送りのコーラス隊の最前列中央で歌った小池庸夫さん(76、広島)は、前々日の午前中、はしごから落ち集中治療室に搬送された。4時間以上意識を失ったが「日本人として殿下の前で歌うのは一生の誉れ」と医者に頼み、翌日には退院。無事に間に合ったコーラスでは、一度出口まで行かれた殿下が、再び戻ってきて拍手されるのを見て、涙が止まらなかったという。