秋篠宮両殿下=連邦議会の記念式典にご臨席=罷免運動のとばっちりも=当地メディアも大々的に報道

 【既報関連】秋篠宮同妃両殿下は5日午前、首都ブラジリアの連邦議会における日伯外交関係樹立120周年記念式典にご臨席された。エドゥアルド・クーニャ下院議長夫妻や伯日友好議員連盟の西森ルイス会長ら同議連関係者、地元日系人代表が出席し、120年前のこの日に仏パリで締結された「日伯修好通商航海条約」が移住開始の契機となり、日系社会のブラジル貢献につながったことを賞賛した。おりしも同議長は汚職疑惑などの渦中にあり、そのとばっちりを受けるような一幕も。それもあってか伯字メディアは同記念式典を含めて前後の様子をこぞって報じた。

 中央玄関前の芝生はジウマ大統領罷免を求めるグループがテントをはって連日キャンプをしていた。両殿下出迎えに姿を現したクーニャ同議長に対し、彼らは「アコーリェ、クーニャ!」(受け入れろ、クーニャ)と連呼を開始。その最中の午前9時20分、両殿下が連邦議会に到着され、入場された。同議長が大統領罷免審議を開始する権限を握っており、それへのプレッシャーだった。
 儀仗兵の隊列をくぐって入場され、同議長夫妻の歓迎を受け、貴賓室で御引見、そのまま本会議場での式典に臨まれた。

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 両国歌斉唱の間、思いつめたような表情を浮かべていた同議長は、挨拶で同修好条約の締結の意義を強く強調し、「そのおかげで日本移民が入り、日本以外で最大の日系社会が形成され、多様な分野でブラジル社会に貢献をしている。皇室の本会議場へのお立ち寄りは、議会の尊厳を高めるもの」と人的貢献の大きさを称揚した。
 殿下は「日本とブラジルの友好関係は、120年の月日を経てますます堅固なものとなり、両国国民の交流も活発になっております。日本では、現在18万人の日系ブラジル人を中心とするブラジル人が様々な分野で活躍しています。このような双方向の交流促進により、今後、日本とブラジルの絆がさらに強まることになりましょう」との期待をのべられた。
 当初の予定にはなかったが西森議連会長も挨拶し、セラード開発やウジミナスなどの国家プロジェクトを列挙し、「両国は経済関係でも太い絆で結ばれている」と企業の役割の重要性を訴えた。
 昨日2面で既報のように本会議場外の通路ではクーニャ同議長の盟友フェルナンド・フランシッキーニ下議が英語で大統領罷免を訴えた書面を殿下に説明するなど、異例の場面もみられた。
 両殿下はその後、連邦特別区知事夫妻と御引見され、午後はセラード農牧研究センターをご訪問。さらに大使公邸で6州から集まった200人もの日系人と懇談された(後日詳報)。